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06月21日-06号

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  1. 宮崎県議会 2022-06-21
    06月21日-06号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    令和4年 6月定例会  令和4年6月21日(火曜日)                午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(37名)    2番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    3番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    4番  山 内 佳菜子  (県民連合宮崎)    5番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    6番  山 下   寿  (  同  )    7番  窪 薗 辰 也  (  同   )    8番  佐 藤 雅 洋  (  同  )    9番  安 田 厚 生  (  同  )   10番  日 髙 利 夫  (  同  )   11番  川 添   博  (  同  )   13番  中 野 一 則  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  有 岡 浩 一  (郷中の会)   16番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   17番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   18番  岩 切 達 哉  (県民連合宮崎)   19番  井 本 英 雄  (宮崎県議会自由民主党)   20番  徳 重 忠 夫  (  同  )   21番  外 山   衛  (  同  )   22番  濵 砂   守  (  同  )   23番  二 見 康 之  (  同  )   24番  山 下 博 三  (  同  )   25番  西 村   賢  (  同  )   26番  日 高 博 之  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党)   33番  日 髙 陽 一  (  同  )   34番  横 田 照 夫  (  同  )   35番  野 﨑 幸 士  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  蓬 原 正 三  (  同  )   38番  丸 山 裕次郎  (  同  )   39番  右 松 隆 央  (  同  ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事   河 野 俊 嗣  副  知  事   日 隈 俊 郎  副  知  事   永 山 寛 理  総合政策 部長   松 浦 直 康  政 策 調整監   吉 村 達 也  総 務 部 長   渡 辺 善 敬  危機管理統括監   横 山 直 樹  福祉保健 部長   重黒木   清  環境森林 部長   河 野 譲 二  商工観光労働部長  横 山 浩 文  農政水産 部長   久 保 昌 広  県土整備 部長   西 田 員 敏  会 計 管理者   矢 野 慶 子  企 業 局 長   井 手 義 哉  病 院 局 長   吉 村 久 人  財 政 課 長   高 妻 克 明  教  育  長   黒 木 淳一郎  警 察 本部長   佐 藤 隆 司  代表監査 委員   緒 方 文 彦  人事委員会事務局長 日 高 幹 夫 ─────────────────── 事務局職員出席者 事務局職員出席者  事 務 局 長   渡久山 武 志  事 務 局次長   坂 元 修 一  議 事 課 長   鬼 川 真 治  政策調査 課長   伊 豆 雅 広  議事課長 補佐   関 谷 幸 二  議事担当 主幹   佐 藤 亮 子  議 事 課主査   内 田 祥 太  議事課主任主事   山 本   聡──────────────────── △一般質問 ○副議長(右松隆央) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、一般質問、人事案件の採決及び議案の委員会付託であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、山内佳菜子議員。 ◆(山内佳菜子議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。県民連合宮崎立憲民主党山内佳菜子です。本日もお忙しい中、傍聴いただき、またライブ中継を御覧の皆様、ありがとうございます。 食料品2.6%、ガソリン代15.7%、電気代21.0%。私たちは今、非常に厳しい物価高の波にさらされています。 総務省が発表した4月の全国消費者物価指数は、昨年の同じ月を2.1%上回りました。消費税率引上げの影響を除けば、13年半ぶりの上昇率です。 NHKの試算によると、コロナ前の2019年と比べた場合、値上がりによる1世帯当たりの年間の負担額は、年収によって6万4,468円から9万8,697円程度増え、所得が低い世帯ほど影響が大きくなるとも言われています。 1人当たりの県民所得が246万8,000円と沖縄県に次いで2番目に低く、車社会でガソリンを使わざるを得ない、4月からは年金も0.4%減額になるなど、全国の中でも本県にとって、より深刻さを増すのではと危惧しています。 私が信頼する研究者は、このように警告しています。 「現在の物価高に対する基礎体力の弱さの背景として、賃金上昇への努力が不足していたこと、仕組みができなかったことが、苦しみの一因となっている。また、グローバル化した経済の中で、地方にもその影響があることは、過去のリーマンショックなどでも学んでいたはず。「コロナは秋には収束する」と言ってそうならなかったように、今回のロシアによるウクライナ侵攻や、物価高などをはじめ、一過性のものと考えたがる日本、地方は認識を改めねばならない。表面的ではなく、根本的な戦略の変化が求められる時代が到来している」 「一人一人の生活を見詰め、その影響を生み出す背景や本質を捉える」。研究者のその強い問題認識に共感する立場から、質問を始めます。 まず、福祉保健部長に伺います。 国の物価高騰の緊急対策として、宮崎県議会でもこの6月定例会で、低所得のひとり親世帯などに子供1人当たり5万円を給付する「低所得の子育て世帯生活支援特別給付金」のための予算案が提案されました。 開会して僅か5日後の15日に採決する、異例のスピード対応でした。「国が6月中の給付を求めている」との説明もありましたが、この低所得の子育て世帯生活支援特別給付金のうち、児童扶養手当を受給するひとり親世帯への給付時期について、県内全市町村で6月中に給付されるのか伺います。 以下の質問は、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 〔登壇〕 お答えします。 国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策に基づき支給を行う、低所得の子育て世帯生活支援特別給付金につきましては、真に生活に困っている方々への支援として、迅速な支給が求められております。 このうち、児童扶養手当を受給するひとり親世帯への給付金につきましては、県が町村在住者分を支給することとなっておりますが、関連予算につきまして先日お認めいただいたことから、支給対象となる1,880世帯へ通知を発送したところであり、6月中に対象者の児童扶養手当支給口座へ給付金を振り込む予定としております。 また、各市在住の約1万200世帯につきましては、それぞれの市が支給することとなっており、各市においても6月中に支給する予定と伺っております。以上であります。〔降壇〕 ◆(山内佳菜子議員) 迅速な対応をお願いします。 コロナ禍や物価高に対し、国は新たな支援策を次々と打ち出しています。 一方、既存の事業について「活用が不十分」との声も聞こえます。 ひとり親世帯などが低利または無利子で資金を借りることができる「母子父子寡婦福祉資金」の過去5年間の貸付件数及び、そのうち「事業開始資金」の貸付件数についてお伺いします。また、今後の利用促進に向けた取組について、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 母子父子寡婦福祉資金の過去5年間の貸付件数につきましては、令和元年度まで、各年度200件を超えていましたが、令和2年度を境に160件台に減少しております。 これは、同時期に日本学生支援機構給付型奨学金制度が開始されたこと等により、貸付けの8割以上を占める「修学資金」及び「就学支度資金」の貸付件数が減少したことが要因として考えられます。 また、「事業開始資金」の貸付件数は、過去5年間の合計が3件となっております。 母子父子寡婦福祉資金には、ひとり親家庭経済的自立等を目的として、12種類の資金が用意されておりますので、引き続き、県のホームページや児童扶養手当現況届の受付時においてチラシを配布するなど、制度の周知を図ってまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 県の「ひとり親世帯生活実態調査」によると、直近の2017年の結果では、回答した母子世帯のうち54.2%は、世帯全体の平均月収が15万円未満の厳しい生活を送っています。 自分以外に子供を見る人がおらず、子供の急病などで仕事を早退したり、休まざるを得なかったりして、フルタイム勤務パート勤務すら難しく、収入と子供との時間を確保するために、自ら事業を始める方もいます。その中の一人の方から、この事業のことを教えていただきました。 「起業するに当たって、国庫でお金を借りた1か月後にこの制度を知った。当時私がお世話になっていた、企業を支援する部署の方も知らず、市町村によって、窓口での対応にも、説明や借りやすいかどうかに差があるとも聞く。情報弱者は生活弱者になってしまう」と嘆いていました。 必要なタイミングで必要な支援が届くようにお願いします。根本的な問題として、子育て中でも安定的に働ける仕組みづくりを県としても進めるよう、強く求めたいと思います。 次に、子供政策について伺います。 2011年、滋賀県大津市で、いじめを苦に中学生が自死したことを受けて、「いじめ防止対策推進法」が成立しました。第4条は、「児童等は、いじめは行ってはならない」と禁止し、未然防止策に取り組むことは、教育委員会や学校の責務と定めています。 県によると、直近の2020年度の県内の公立の小中学校、高校、特別支援学校でのいじめの認知件数は1万741件、前年度の1万5,054件と比べると、約4,000件減りました。 コロナによる学級閉鎖などで、子供同士が対面する機会も減ったことも背景にあるとのことですが、それでも、児童1,000人当たりの認知件数は全国2番目の多さです。 この認知件数は、学校でのアンケートや本人、保護者、同級生などからの相談を基に学校が認知した件数を数えているとのことですが、アンケートはどのような方法で実施されているのでしょうか、教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) いじめアンケートにつきましては、県教育委員会が策定しました「宮崎県いじめ防止基本方針」において、いじめの早期発見のための実施を求めておりまして、各学校では定期的に行われております。 具体的な方法といたしましては、記名式、無記名式を交互に実施したり、家庭に持ち帰らせ、学校生活を保護者と一緒に振り返らせながら回答させたりするなど、実施方法や内容を工夫しながら、アンケートを実施しております。 また、県といたしましても、毎年1回、県内の小・中・高等学校、特別支援学校など全ての校種におきまして、無記名のアンケートを実施しておりまして、いじめの早期発見に努めているところであります。 ◆(山内佳菜子議員) 小中学校では月1回、高校では2か月に1回のペースで実施しているそうですが、その方法は各学校に委ねられていると聞いています。 御説明があったように、持ち帰って無記名で書く方法をはじめ、子供がSOSを出しやすい工夫をお願いします。 次に、いじめが起きた後の対応について、県はどのような取組を行っているのか、教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) いじめが起きた後の対応につきましては、被害児童生徒に寄り添うことを最優先に、解消に至るまで組織的に対応することが重要であります。 そのため、県教育委員会では、「いじめの認知から解消までのガイドライン」等を策定しておりまして、その中で、校長のリーダーシップを含めた組織的な取組や、被害者、加害者、双方への指導・支援の在り方など、解消までの具体的な内容を示し、各学校への指導を行っているところであります。 また、重大ないじめ事案が発生した場合には、県におきまして、弁護士や臨床心理士、警察官等から組織されました「宮崎県いじめ問題対策委員会」を設置し、公平中立な立場から事案の調査を行うこととしております。 ◆(山内佳菜子議員) いじめ防止対策推進法第2条で、いじめは「児童等に対して、心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義されています。つまり、苦痛を感じたら認定する方針です。 県によると、2021年8月時点で、「3か月間いじめ行為が止まっている」「被害児童が苦痛を受けていない」などとして、いじめが解消されたとされるケースは1万486件で、全体の97.6%とのことです。 一方で、私には、いまだにいじめ対応に苦しむ保護者の声が届きます。「相談窓口では、県に電話すると市へ、市に電話すると県へと言われた。相手の保護者と学校との協議では、うちの子はしていないの一点張り。結局、校区外へ進学した」 「学校に出席できなければ、ただの欠席。学校は被害者を守らず、加害者たちは笑顔で生活している。自宅学習用の教材費も、親子で通う心療内科の受診料も自己負担。宮崎にはいじめ認知件数の数だけ心に傷のある子供がいる。子供たちを助けてください」 第3条では、「いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要」とされていますが、その理念の実現には改善の余地があると感じています。 例えば、大阪府寝屋川市では、教育委員会内ではなく、市長部局内に「監察課」のようないじめ対応部局をつくったり、被害児童や保護者に転校費用を上限15万円、訴訟費用の上限30万円までを助成する被害者救済制度を設ける取組もなされています。 生徒が命を落としてしまってから対策が進み、法律が整備されるという流れが繰り返されていますが、それでは遅いのです。 いじめの認知の割合が全国トップクラスであること、今後のいじめ問題への取組について、知事の見解を伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 本県における、いじめの認知件数の割合が大きいことにつきましては、各学校が、いじめを初期の段階のものから積極的に認知している結果であると、その点については肯定的に捉えているところであります。 しかしながら、いじめと認知した件数が多いことは課題でありまして、そこには、つらい思いをしている子供が必ずいる。そこに目を向ける必要があろうかと思います。 学校におけるいじめの問題への対応につきましては、教育長が答弁しましたように、教育委員会を中心に、これまでも取り組んできております。今後とも、国の動向を注視し、今御紹介いただきました他県の取組なども視野に入れながら、時代に合わせた対応を促してまいりたいと考えております。 いじめは、学校を含めた社会全体で解決すべき大きな人権問題であります。そのため、全ての子供たちをかけがえのない存在であるものとして尊重し、子供たち一人一人が人としての尊厳を有していることを認識しながら、社会総ぐるみで問題に取り組むことが、私たち大人の責務であると考えております。 ◆(山内佳菜子議員) ありがとうございます。いじめに関する質問は、今年1月から月1回開催している「いじめを語る会」の参加者の声を基に作成しました。皆さん、ありがとうございました。 「トイレに行く間もないという先生たちの処遇改善をして、児童生徒と向き合う時間を確保してほしい」「大人の世界にパワハラ、セクハラ、DVなどのいじめが存在しているのに、児童生徒が大人に相談できるわけがない」という意見もあります。 いじめの認知件数トップクラスであるだけでなく、未然防止、発生後の対応についてもトップクラスと全国に認めていただけるような本県の取組に期待しています。 次に、小中学校における不登校の増加について、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 不登校につきましては、年々増加傾向にあり、令和2年度の調査におきまして、小・中・高等学校合わせて1,700名以上の児童生徒が不登校の状態にあります。このことは大きな課題であると重く受け止めております。 不登校の要因は様々で、コロナ禍における何らかの影響もあるのではないかと捉えておりますが、これまでの傾向から、今後さらに不登校が増加することも懸念しているところであります。 現在、各学校におきましては、不登校の未然防止、解消に向け、教育相談の充実や関係機関との連携に努めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家を活用し、一人一人に応じた支援を行っているところであります。 県教育委員会といたしましては、不登校は、どの児童生徒にも起こり得ることとして捉え、その上で、子供たちの幸せのために何ができるのか考えてまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 令和2年度は計1,785人と、過去最多だったと聞いています。学校に行かない、行けない理由は様々だと思います。 新型コロナ対策への迅速な対応で世界の注目を浴びた台湾のオードリー・タン・デジタル担当大臣も、自身の病気などを背景に不登校となり、中学校を退学。3月に県庁で行われたオンライン意見交換会でもその話を披露され、中学校の校長に「学びを止めるな」と助言を受け、多様な学びの場を子供たちに提供する大切さを訴えられました。 6月10日、文部科学省の「不登校に関する調査研究協力者会議」がまとめた報告書には、教育機会確保法の趣旨にのっとり、「児童生徒や保護者に一番近い在籍校などは、校内の別室指導や教育支援センターによる支援を提案し、フリースクールなどの民間団体の支援の紹介、ICTを活用した自宅での学習支援の提案など、子どもの主体性を尊重した情報提供を行うことが重要」と明記。学校以外の多様な学びの機会も紹介するよう呼びかけています。 多様な学びの機会の確保に向けた民間団体との連携について、進捗状況と今後の対応を教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県教育委員会といたしましては、昨年度から、県内における民間団体フリースクールの視察等を行いながら、様々な教育機会の確保に向け、協議を深めているところであります。 私自身も先日、宮崎市内フリースクールに直接伺わせていただきまして、活動の様子を見せていただき、意見交換を行ってまいりました。 今後は、市町村教育委員会と協議を深めながら、各民間団体フリースクール等の実態把握に努め、様々な立場の方々に御意見をいただくなど連携を図り、今後の支援の在り方について検討してまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 県によると、現時点で出席扱いとなるフリースクールは、宮崎市内の1か所だけです。「どこにどんな団体がいるか分からない」という声も聞こえます。 教育機会確保法第3条は、「国、地方公共団体民間団体や関係者の密接な連携」を求めており、第13条では、「国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場で行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、休養の必要性も踏まえ、状況に応じた学習活動が行われるよう、必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずる」としています。法に基づき、現在県が進めている市町村教育委員会民間団体との連携を深め、学校も、学校以外も含めて、学習の機会を確保するための環境づくりを進めてください。 「1人1台配付されている端末などをもっと活用して、オンライン授業を進めてほしい」との保護者からの意見も伺います。 様々な事情により、学校に行きたくても行けない児童生徒の学びを止めないため、オンラインにより行う授業の現状と今後の対応について、教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 現在、文部科学省では、学びを保障するためのオンライン学習を積極的に進められるよう規則の改正を行い、制度の弾力化を図っております。 県内におきましては、病気療養等、長期にわたる欠席の児童生徒に対しまして、オンラインによる授業の配信など、自分のペースに合わせた学習の支援を実施した例がございます。 県教育委員会といたしましては、学習の評価や単位の認定など、今後のオンラインによる学習支援の在り方について、さらに研究を深めてまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 実施した例があるとのことですが、子供が白血病のため入院し、小学校に復学できたものの、コロナ感染を避けて学校に行けない時期があった児童のお母さんにお話を伺いました。市販のドリルも購入して、お母さん御自身が勉強を教えていたそうです。必要な児童生徒に行き届けること、学習の評価や単位の認定についても、特段の配慮を求めます。 発達障がいに悩む保護者からの相談も増えており、4月から「子育てなんでもきいてみよう」という座談会も月1回開いています。6月は、息子さんが自閉症のお父さんが話をしてくださいました。 「小学校時代の先生はとても熱心だったが、すごく無理解。息子のことをつぶさに報告するために、職場に何度も電話があり、上司からは、「またか」「君の子育てがおかしいのでは」と言われ、自分も心の病となり退職した。学校に何度もお願いして特別支援教育を始めてもらい、私も子供も学校生活が大分スムーズになった」と報告され、現在は御自身も子育て支援に尽力されています。 発達障がいのある児童生徒の保護者の声を教育委員会の施策に生かす仕組みがあるのか、教育長に伺います。
    ◎教育長(黒木淳一郎君) 障がいのある児童生徒の保護者からの御意見につきましては、県内を7つに分けたエリアサポート体制の中で、特別に配置した経験豊富で専門性の高い教員による学校への巡回相談や、福祉等関係機関との連携会議において把握させていただき、施策を実施する際の参考としております。 特に、発達障がいのある児童生徒に関しましては、その特性から学習面や行動面、対人関係の困難さが気づかれにくいという傾向もあり、教員による気づきと児童生徒及び保護者への早期の相談支援が重要であると考えております。 このことからも、県教育委員会といたしましては、より本人、保護者の声に耳を傾け、施策の充実に努めてまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 児童生徒や保護者を取り巻く環境も多様化していますので、柔軟な対応をお願いします。 「義務教育である小中学校は支援が手厚いだろうが、高校への進学は不安」との声も根強くあります。 県立高校における特別な教育的ニーズのある生徒に対しての受検の配慮と、入学後の支援の状況について、教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 特別な配慮を必要とする生徒が県立高校を受検する際は、中学校からの申出を基に、高校と県教育委員会が協議した上で、本人の状況に応じて、別室での受検や学力検査問題のルビ振り、用紙の拡大などの必要とされる対応を行っております。 入学後につきましても、各高校で生活面や学習面、対人関係に困難さを抱える生徒の情報を職員間で共有し、一人一人に応じた支援に努めております。 さらに現在、7エリアに設置した15校の拠点校を中心に、困難さの改善、環境への適応を目指した「通級による指導」も行っております。 県教育委員会といたしましては、今後とも、個別の教育的ニーズに応じた支援について、より一層充実を図ってまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 昨年度の受検の際は、視覚、聴覚障がいがある生徒も含めて47人への配慮を行ったと聞いています。また、県立学校37校のうち15校に16教室の通級指導教室があることは、人口比で見ると九州断トツの多さとのこと。これ以外にも様々な支援に取り組んでいるとのことです。 法律があるから、人生を決める受検だからではなく、個々の状態に合わせた配慮を常日頃から行っていただくよう、お願いいたします。 子供政策の最後です。 2月議会で重松議員が取り上げたテーマですが、白血病などで骨髄移植を受けた子供へのワクチン再接種についてです。 見ず知らずの方から、ツイッターのダイレクトメールが届きました。「県内でもまだ助成していない市町村がある。県費助成が始まれば26市町村の足並みがそろうのでは」という内容でした。 何もできないままだったある日、20年ぶりに再会した同級生が、我が子を4歳で白血病で失ったことを知りました。私の息子も今4歳です。とてもショックでした。 改めて、県内で再接種を待つお母さんや医師に話を伺いました。白血病の子供さんの場合、小児慢性特定疾病になるため、所得に応じての金額と食事代は自己負担。子供を見るため病室に付きっきりになるので、親は仕事を休職・退職となり、収入は激減。髪が抜け、嘔吐を繰り返す子供を前に、心が締めつけられながらも笑顔で励まし続けたそうです。 「病気になりたくてなったわけではない。再接種の負担が多過ぎて再接種するのを諦めるような、差別するような環境ではなく、病気になった子供たちも平等に安心できる未来を、県を挙げて支援していただきたい。どうか、この声が県議の皆様、知事に届いてくれればと思います」とおっしゃっています。 九州では2020年から福岡県が、今年4月から鹿児島県も助成を始めました。鹿児島県で再接種助成を訴えたお母さんは、「同じ日本で、九州で、負担の差があるのはおかしい」と何度役所に連絡しても、毎回「検討中」との返答。地元メディアに取り上げられたこともあり、ようやく助成が認められたそうです。 「小児がんになれば、昨日までの生活も仕事もなくなる。当たり前の生活が一番難しい。小児がんの子供も普通に過ごせることを願っているだけ」とおっしゃっています。対象になるのは、県内でも年間10人程度で、1人当たり20万円程度と、膨大な予算額が必要なものでもありません。 骨髄移植を受けた子供へのワクチン再接種に係る県の支援について、知事に伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 骨髄移植は、治療経過におきまして移植前の血液細胞を根絶するため、過去に行った予防接種の効果も消失すると言われております。このため関係学会においては、ワクチンの再接種が推奨されておりまして、国においても、市町村を実施主体とした定期接種化について検討が行われているところであります。 県におきましては、これまでも、おたふく風邪や百日ぜきの追加接種などの任意接種に係る費用について、実施主体である市町村へ必要な支援を行ってまいりました。 お尋ねのワクチン再接種の助成につきましては、つらい治療を乗り越えてこられた御本人や御家族の負担も考慮しながら、国の動向や市町村の意向も踏まえて、必要な検討を行ってまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 「必要な検討を行う」という前向きな御答弁をいただきました。ぜひお願いします。 次に、DV被害者支援についてです。 県が設置している配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数の推移について、県の認識を福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 配偶者暴力相談支援センターの機能を担っております女性相談所の過去10年間のDV相談件数は、平成29年度の601件をピークに増減を繰り返している状況であり、令和2年度は515件と、前年度に比べ57件減少しております。 一方で、警察と男女共同参画センターを加えた県全体の相談件数につきましては、増加傾向にありまして、10年前に1,000件程度だったものが、令和元年度には1,600件と過去最高を記録し、令和2年度も1,456件と高止まりしている状況にあることから、支援を必要としている女性は増え続けているものと認識しております。 ◆(山内佳菜子議員) 内閣府の3月の発表によると、全国の配暴センターの相談件数は増加した一方、本県は減少、全都道府県別でも329件と最下位でした。なぜでしょうか。 配暴センターが都道府県内に1か所しかないのは、三重、和歌山、香川、高知と本県の5か所だけです。市町村への設置をどのように促すのでしょうか。また、県の施設への増設について、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 配偶者暴力相談支援センターは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」、いわゆるDV防止法に基づいて、DVの防止及び被害者の保護を行っており、本県では、女性相談所がその役割を担っておりますが、議員御指摘のとおり、ほかにセンターは設置されておりません。 現在、地域のDV相談の対応は、市町村の担当課や社会福祉協議会等が行っているところですが、市町村にセンターが設置されることで、身近な場所での継続的な相談・カウンセリング、住民票の異動や生活保護等の手続の一元化など、ワンストップの支援を行うことが可能となります。 このため県では、市町村に対して、センターの設置について働きかけを行うとともに、これを検討する市町村に対しましては、相談業務へのアドバイス等の支援を行うこととしております。 あわせて、県の施設への設置についても検討を進めることで、県全体のDV防止及び被害者支援体制の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆(山内佳菜子議員) 県の増設についても検討を進めるとの前向きな御答弁、ありがとうございます。市町村の設置についても、財政措置を含めたアクションを求めます。 配暴センターも入っている女性相談所の相談は、電話か対面で受け付けています。電話を時間外にかけると、以下のメッセージが流れます。 「宮崎県女性相談所です。現在の時間は御相談を受け付けておりません。受付時間内におかけ直しください。緊急の場合は警察にすぐに御相談ください。通話状況を確認するために録音しておりますが、こちらからのおかけ直しはいたしませんので御了承ください」。 相談者の9割以上は男性に傷つけられた女性であるにもかかわらず、男性職員の声で吹き込まれています。「通話状況のための録音」をする必要があるのでしょうか。 もっと被害者に寄り添った内容にすべきと考えますが、県の考えを福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 女性相談所では、女性に関する様々な問題について、相談員が面接及び電話での相談に応じ、問題解決のための助言指導等を行っております。電話相談での対応は、祝日と年末年始を除き、月曜から日曜日まで毎日行っておりますが、夜間等の時間外は留守番電話メッセージにて対応し、緊急の場合は警察へすぐ相談するように案内しております。 一方、警察から女性相談所への緊急連絡は、24時間365日体制で受け付けており、警察が被害者の安全を確保する中で、緊急の一時保護が考えられるケースについては、時間外でも連携して対応しているところであります。 議員御指摘の留守番電話メッセージにつきましては、相談者にとって必要な内容を御案内するものでありますが、その伝え方につきましては、女性の声での案内とするなど、相談者に寄り添った改善を図ってまいりたいと考えております。 ◆(山内佳菜子議員) 改善いただけることを感謝するとともに、時間外の対応の充実について、今後も御検討をお願いいたします。 DV相談の対応に、メールやSNSも活用すべきと考えますが、県のお考えを福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 議員御指摘のとおり、女性相談所におけるDV相談は、現在、電話や面接により行っておりますが、全国からの相談に対応している国においては、令和2年4月から、電話やメール、チャットで相談に応じる「DV相談プラス」が開始されたことから、県では、これをホームページの相談窓口一覧で紹介し、周知を図っているところであります。 メールやSNSを活用した相談方法は、同居する家族に気づかれず、相談者のペースで相談ができ、若者や女性を相談につなげる最も身近な手段として期待されますので、女性相談所におきましても、まずは、メールの活用について検討を進めてまいりたいと思います。 ◆(山内佳菜子議員) まずはメールの活用をスタートしていただけるとのこと、ありがとうございます。 若い女性を支援するNPO法人BONDプロジェクトによると、一番多かった相談方法はLINEで、本県の68件を含む約1万9,000件、次がメールで約1万600件、電話は約1,800件でした。若い世代が相談しやすいSNSの導入も研究をお願いします。 県内の民間団体から、「DVに困っている子育て中の女性が、女性相談所に一時保護を求めたのに受け入れてもらえなかった」と伺いました。県に確認したところ、「適切に対応した」との回答があり、認識の違いがあるようです。結局、その女性は民間団体の支援を受けて、引っ越しや役所での各種手続を行ったようです。経費は民間団体が全額負担です。 女性相談所におけるDV被害者の受入れ実績について、また受け入れる際の基準について、福祉保健部長にお尋ねします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) DV被害者からの相談に際しては、問題解決のための助言指導や支援期間の情報提供を行うほか、緊急に保護を必要とする場合には、被害者の意思に基づき、被害者及び同伴家族の一時保護を行っております。 過去10年間に一時保護を行った被害者本人の実人数は、平成24年度の34人をピークに増減を繰り返している状況にありまして、令和2年度は16人となっております。 次に、一時保護を行う基準につきましては、身体の危険性や緊急性の観点から設けているところであり、具体的には、配偶者からの追跡のおそれ、経済状況、心身の健康状態等を総合的に勘案し、女性相談所長が必要と認める場合に一時保護を行うこととしております。 ◆(山内佳菜子議員) DV防止法第2条に、「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有する」とあります。また、第4次DV対策宮崎県基本計画に、「被害者の保護支援を行うに当たっては、被害者の安全の確保が最優先課題」とされていますが、その責務は果たされているでしょうか。 民間団体の方は、「相談者はどんな支援制度があるか、自分に何が必要かも分からないまま必死で救いを求めてくる。まずは身の安全を確保してから、できること、できないことを説明するなど、寄り添った対応を」と求めています。法律や計画の遵守をお願いします。 次に、配暴センターの証明書発行手順について、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 市町村等におきましては、DV被害者の自立支援を目的として、公営住宅への優先入居等の各種支援措置を行うほか、加害者に対する住民基本台帳の閲覧制限を行っておりますが、その際に、配偶者暴力相談支援センターの機能を担っております女性相談所からのDV相談を受け付けた証明書が必要となります。 この証明書の発行に当たりましては、なりすましや悪用を防ぐため、申請、交付いずれも御本人の来所による手続に限定しており、身分証明書等による本人確認と、利用目的や現状の確認を行った上で申請を受け付けますが、センターでの過去の相談歴等を確認する必要があることから、証明書の交付は翌日以降とさせていただいております。 手続に際しましては、複数の証明書をまとめて申請できる様式とするほか、事前予約をしていただくことで、被害者の負担軽減を図るなど改善を図っておりますが、引き続き、発行期間の短縮等に努めてまいりたいと考えております。 ◆(山内佳菜子議員) 暴力を受けたパートナーに見つからないように、身の危険を感じながら被害者や、その同行者は来所しています。迅速な対応や来所時間の短縮など、負担の軽減を求めます。 女性支援の在り方を66年ぶりに変える困難女性支援法が5月、国会で成立しました。女性相談所の役割も見直される絶好のチャンスであり、昨日、河野議員もお話しされていましたが、施行までの2年間は、準備期間として有効に活用いただきたいと思います。民間団体との連携や支援が明記されていますが、困難女性支援法の施行を視野に入れた民間団体との今後の連携の在り方について、知事の考えを伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) DVのほか、性的な被害や生活困窮など、多様化・複雑化します女性問題に適切に対応するために、令和4年5月、議員立法により、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が新たに制定されたところであります。その基本理念として、多様な支援を包括的に提供する体制づくりや、関係機関・民間団体との協働による切れ目のない支援の実施が掲げられております。 現在県では、「DV被害者保護支援ネットワーク会議」等によりまして、民間団体と連携を図っているところであります。今回の法律制定に伴い、さらなる支援の充実が求められますことから、今後、国が定める基本方針を踏まえながら、関係機関の役割や民間団体の強みを生かした支援体制の在り方について検討し、本県の女性が安心して自立した生活を送れる社会の実現を目指してまいります。 ◆(山内佳菜子議員) ネットワーク会議に入っている民間団体は2団体と伺っていますが、私が主宰する「DV被害者を学ぶ会」には、ほかにも幾つかの民間団体も参加してくださっています。 会議で顔を合わせる「連携」から一歩進めて、行政や民間団体がそれぞれの強みを生かして一緒に動く「連携」、知事が掲げる「協働」を進めていただきたいと思います。 最後に、県民の関心も高いバス路線問題についてです。 現在協議が行われている県バス対策協議会の中で、住民や利用者の声はどのように反映されているのでしょうか。総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 地域の実情に即した輸送サービスの実現に向けて、市町村では、利用者や地域住民の声を反映するために、地元の自治会やPTAの代表者等を構成員とする「地域公共交通会議」が設置されておりまして、様々なテーマについて広く議論が行われているところであります。 また、県バス対策協議会では、複数の市町村にまたがる地域間幹線バス路線につきまして、より広域的な視点から議論しているところでありますが、地域の声を反映するため、市町村を主体とする県内8つの地域分科会を設けております。 この地域分科会では、地域間幹線バスの運行予定者や効率的な運行ルート、ダイヤの見直し、地域内のコミュニティーバスとの乗り継ぎなど、利用促進や利便性の向上の取組について、市町村における議論も踏まえ、路線ごとに協議をしているところであります。 ◆(山内佳菜子議員) 自治会長やPTA会長など、団体の代表の方が利用者の声をどのように届けてくださっているんだろうかということを確認するために、県のホームページで会議資料や議事録がないかなと思って探したんですけれども、見つかりませんでした。今はアップしていないということです。 意見を述べるために、正確な情報は欠かせません。問題意識を共有し、よりよい解決を探るためにも、まずは情報公開を求めます。 次に、宮崎交通は経費削減の上、継続して運行したいとの意向ですが、事業者選定に当たって、今後どのように対応するのでしょうか。総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 地域間幹線バス路線につきましては、宮崎交通から当初、「行政による赤字額の全額補填がなければ路線を廃止する」という申出があり、加えて、「これ以上の経営改善は難しい」との話もあったことから、将来にわたり赤字額の全額補填を続けていくことは、そのような状況では難しいと考えまして、地域分科会等で市町村とも議論を重ねた上で、他事業者への転換等も含めた方向性を出したところであります。 その後、経費削減策が提示されるなど、宮崎交通の考え方にも変化があったことから、今後、その在り方につきまして、改めて協議・検討することとしております。 また、事業者を選定する場合には、行政負担のみならず、利用者の安全性や利便性の確保など、持続可能な交通手段となるよう、市町村とともに総合的に検討してまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 事業者選定の視点が「採算性」だけではないと伺い、少しほっとしました。 「今、全国の路線バスが大変なことになっています」というメッセージとともに、NHKは路線バスの特設サイトを開設しています。運転手不足で、赤字路線だけでなく、大都市部の黒字路線までも減便・廃止せざるを得ない事態ということです。 コロナ前のデータですが、バスの運転手の平均年収は457万円と、全業種平均より1割低く、平均労働時間は月210時間と2割高い状態です。 入社4年で半数近くは離職し、赤字になっている会社率は全体の7割、運転手不足の会社は8割で、このうち5社に1社は運転手不足のため減便や路線の廃止などを検討しているとの深刻なデータもあります。 公共交通政策に詳しく、国の交通関係の審議会委員や、各県の地域公共交通計画の策定にも携わっている、名古屋大学の加藤博和教授は、「2005年からの10年間で給料が2割減、労働時間が2割増えた業種。全国のバス事業者が給料アップや処遇改善で何とか運転手を確保しようとしている中、宮崎の状況を注視している」とのことでした。 一方、地域公共交通活性化再生法の改正により、2024年度以降は、「地域公共交通計画」を作成しなければ、乗合バスなどの補助金がもらえない仕組みとなりました。 この計画は、バスだけでなく、今議会でも複数の議員が取り上げている鉄道、タクシーも含めた公共交通について、行政、事業者、住民、学識経験者による法定協議会を設置して、どのような将来像を目指すのか、利用者や収支などの目標値を設定し、PDCAを強化、それを実現するための事業や実施主体を記載する、言わば本県が目指す公共交通の姿と、それを実現する設計図のようなものです。 地域公共交通計画の策定を今後どのように進めていくのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 地域公共交通計画は、地域にとって望ましい地域の旅客運送サービスの姿を明らかにするものでありますが、令和6年度以降は、この計画への位置づけが、地域間幹線バスに対する国庫補助の要件となることから、県におきましては、令和5年度末までに策定することとしております。 本年度は、市町村、交通事業者、学識経験者等で構成する法定協議会を設置するとともに、必要となるデータ収集や分析等の業務を専門業者へ委託するなど、計画策定に向けた取組を順次進めてまいります。 現在、県バス対策協議会や地域分科会等を中心に、地域間幹線バス路線に関する協議・検討を行っておりますが、その結果も反映させながら、地域の移動手段の持続的な確保につながる計画を策定してまいります。 ◆(山内佳菜子議員) バス路線問題は、「事業者を決めれば終わり」ではありません。運転手は全国で不足し、人口減少や高齢化による利用者減などを背景に、公共交通は縮退の一途をたどっています。 本県のように1社が路線バスを維持する県は全国でも珍しい中、同じく1社が担う奈良県でも、10年前に本県と同じようなことが起きたそうです。 奈良交通の申出を受けて、県、市町村と議論を続け、路線改善を進めています。議員発議で奈良県公共交通条例をつくり、それに基づく毎年度の報告書には、輸送人員、経費、経営状況、国、県、市町村からの補助金の推移などのデータ、公共交通を支えるための県の各事業が部署ごとに整理されて、公開されています。 公共交通がなくなれば、生活の場がなくなり、まちは人も住めなくなります。県、事業者、県民でどう課題を共有し、合意形成を図るのでしょうか。この局面をどう乗り切るのでしょうか。今後のバス路線に対する知事の思いを伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 地域間幹線バスをはじめとしますバス路線は、県民にとりまして、通院や通学、買物など、安心して地域で暮らすための重要な移動手段であると認識しております。私自身も、ジム通いなどで毎週、定期的に利用しております。 一方で、自家用車の普及や人口減少等に加えまして、新型コロナの影響により利用者数が大きく落ち込むとともに、燃料の急激な値上がりなど、バスを取り巻く環境は非常に厳しいものとなっております。 県におきましては、先般可決いただきました補正予算における燃料高騰対策など、国の臨時交付金も活用した運行支援を行うとともに、事前予約により運行させるデマンドバスや、バスを含めた最適な移動手段の予約・決済を一括で行うMaaSの導入など、利用促進や活性化にも取り組んでいるところであります。 今後も引き続き、これらの施策を推進するとともに、利用者や地域住民の声も十分踏まえながら、市町村・バス事業者等とその在り方について議論を深め、将来にわたって持続可能なバス路線となるよう努めてまいります。 ◆(山内佳菜子議員) 「公共交通を守ることは、故郷を守ることだ」と言われた方がいます。人口減少や災害で鉄道が消え、バスも消え、車も運転できなくなって故郷を離れざるを得なくなった方は、この車社会、過疎地域も多い宮崎に、どれほどいらっしゃったことでしょう。 車を手放しても安心して住み続けられる宮崎へ。これからも厳しさが続くであろう公共交通の経営を、誰がどれぐらい負担し、支えていくのか。将来の宮崎、地方の姿を左右するほどの深いテーマです。 公共交通の危機から故郷の在り方を考えるチャンスだと思います。知事のリーダーシップに期待して、私からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(右松隆央) 次は、太田清海議員。 ◆(太田清海議員) 〔登壇〕(拍手) 何で人間は戦争するのだろう。これは私が中学生の頃、ベトナム戦争の報道に接するたびに感じた、当時は人生最大の疑問でした。学校教育では「友達とは仲よくしなさい」と教えているのに。 そしてまた、今にして思うことですが、当時アメリカが起こしたベトナム戦争に対して、アメリカに対する国際的な経済制裁などなかったなと思うと、戦争観というものが、私たちの立ち位置によって変わるものだろうかという疑問も、ふと感じます。 また、考えてみると、私たちの日常生活の中で起こっている、いじめ、虐待、誹謗中傷、あおり運転なども戦争の一変形ではないかと思えてなりません。だから私は、私の日常生活の中での争い事はできるだけ避けようと思っています。 事実、こんなことがありました。 私たち夫婦が買物から帰ってきたときのことです。食卓に着席すると、その食卓に固定電話の子機が置いたままでありました。妻はそれを見て、「またこんなところに置いたままにして」と、まるで私が犯人であるかのように言いました。 孫が犯人ではないかと思っていた私は、むかっときたのですが、私は黙ってその子機を元のところに置き直しました。 すると今度は、運悪く私の座っている椅子の下にコーヒーの滴みたいなものがこぼれていました。目ざとく見つけた妻は、また私が犯人であるかのごとく、「またこんなところにこぼして」と強い口調で私に言いました。これも犯人は孫と思っていた私は、さらにむっときたのですが、まあいいやと思って怒りをぐっと抑え、黙ったままぬれぎぬを着て、その場をやり過ごしました。 すると、5分たち10分たつと、いつの間にか夫婦の会話は何事もなかったかのように穏やかに交わされていきました。 私は思いました。あのとき感情に任せて「それは俺じゃねえ」と反論していたら、夫婦の間にきっと険悪な争い事が起こっていたのではないかと。命に別状なければ、つまらぬことは反論しないほうがいいと、つくづく思いました。考えてみれば、私の妻は県議会議員である私を疑ったわけでありますが、嫌疑不十分だったのです。 それでは、質問をいたします。 国家の政策決定が、いつの間にか株式、株価というものに絡め取られているのではないかという問題です。 岸田内閣の発足当時、新しい資本主義という名の下に、例えば金融所得課税の見直しを訴えられていたようでありましたが、結果として、その見直しも先送りとなったようであります。 1億円の壁といわれるように、金融資産を多く持った高額所得者は、1億円を超えると急激に所得税の負担率が下がり、これが応分の負担という考え方からすると、社会的な不公平ではないかと言われています。 岸田首相がこれを正そうとされたことは間違いではなかったと評価しています。しかし、いかんせん、そのメッセージが伝わった途端、株価が下落し、やむなく先送りとなったのだと思います。 私が問題とするのは、このように国家の政策決定が、いつの間にか株価とかいうものに影響されているのではという、その体質についてであります。 年金積立金管理運用独立行政法人、通称GPIFも、安倍内閣の時代にその運用がかなり大きく株式に依存しました。このように、株というものに国家財政が安易に依存するあまり、今後、じわじわと国家の政策決定の自由度をむしばんでくるのではないかと思うのです。 国の政策決定が株価の影響を受けることについて、知事の所感を伺います。 次に、ハラスメントの問題であります。 様々なハラスメントがあるようで、最近、カスタマーハラスメントという言葉を聞きました。これは、お客が店員さんに理不尽な苦情を、言いがかりをつけるようにハラスメントすることでしょうか。 そういえばコンビニなどで、お客が店員さんに苦情を言い、土下座させたという報道を聞いたことがありました。理由のほどは分かりませんが、店員さんも非正規の若い子だったりすると、かわいそうだなと。その子は今後、社会というものに信頼感を持てるのだろうか、この社会の中にどのような印象を持って入り込むのだろうかと思うと、かわいそうでなりません。 過度な謝罪要求、インターネットでの誹謗中傷、容赦のない批判、あおり運転、何か世の中がぎすぎすしてきた感じがします。 このような社会に対しての知事の所感を伺います。また、このように人権が尊重されていない社会を変えていくために、知事として県民にどう訴えていくのかをお伺いしたいと思います。 以下の質問は、質問者席で行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 まず、政策決定の在り方についてであります。 株価は、企業価値や企業経営等と密接に関係し、経済情勢を反映する貴重な指標でありますことから、その動向は、経済政策を検討する上で必要な判断材料の一つであると考えております。 また、金融所得課税の見直しは、所得の再分配という効果がある一方で、株価に影響を及ぼす可能性があることから、その実施については、タイミングを見極める必要があると考えております。 岸田総理は、今回の見直しの先送りについて、見直し自体を断念したものではなく、まずは企業の成長を促し、その成長から得られる果実を分配していく、優先順位の問題である旨の説明をされております。 私も政策決定に当たりましては、単一の目的に対する効果だけではなく、様々な分野へのプラス・マイナスの影響も含めて、総合的に判断する必要があると感じたところであります。 次に、様々なハラスメントの問題についてであります。 私たちは、これまで、本県で発生した口蹄疫をはじめ、東日本大震災や熊本地震、さらには新型コロナなどへの対応を通して、人と人との結びつき、他者や地域社会との関わりの中で助け合い、いたわり合うことの大切さや尊さを実感したところであります。 議員御指摘のような様々なハラスメントは、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける、人権に関わる許されない行為と認識しております。 その背景には、社会が豊かになる一方で、人間関係が希薄になったり、他人への思いやりが欠如したりすることなどが影響しているものと考えられるところでありまして、社会的な不寛容さにつながるものとして、大変憂慮すべき状況にあると認識しております。 太田議員のように寛容の精神を持って望む必要があると、そのように感じているところであります。 最後に、人権尊重の社会づくりに向けてであります。 人権尊重の社会づくりに向けましては、人権問題に関する県民一人一人の理解と共感が大変重要であります。 例えば、新型コロナに関して、医療従事者等への不当な差別が社会問題となった際には、差別を受けた当事者の団体を含め、様々な関係機関等と連携し、「ストップ!コロナ差別 オールみやざき共同宣言」を行い、私も先頭に立って、県民の皆様に訴えかけてまいりました。 また県では、本年3月に「宮崎県人権尊重の社会づくり条例」を施行しました。私たち一人一人の立場や考え、置かれている生活状況などは様々でありますが、お互いを温かい気持ちで包み、補い合い、助け合って行動し、思いやりの広がり、連鎖をつくっていくことが大切であります。 この条例の目指す社会の実現に向けましては、私自身も、記者会見やSNSなど様々な機会を通じて、人権尊重に向けたメッセージを、県民の皆様一人一人の心に届くよう発信してまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(太田清海議員) よく分かりました。金融課税の問題については、経済学者によっていろんな論評が分かれておりますので、それはそれとして受け入れていきたいと思います。 時間がありましたら、後でまた述べていきたいと思うんですが、ハラスメントの問題、人権尊重は、宮崎県も人権尊重の社会づくり条例というのをタイムリーにつくられたと思うので、これをいかに具現化するかというか、いろんなメッセージを発して、そうだねというような宮崎県にしなきゃいかんなと思います。 「日本のひなた宮崎県」という言葉も、考えてみればいい言葉だな、明るい日差しの中で明るい心を持って宮崎県民が生きてほしいなということを思いました。 では、次の質問に移らせていただきますが、中学校の部活動の地域移行について、教育長にまず3点お伺いしたいと思います。 1点目は、運動部活動の地域移行に関する検討会議提言の概要や、今後のスケジュールについて伺いたいと思います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 国では、深刻な少子化や教員の業務負担増加等の課題を受け、公立中学校における運動部活動の地域移行に向け、有識者による検討会議が開催され、今年6月にその提言がまとめられました。 その概要としましては、指導者の確保や会費負担の在り方、保険の在り方など、具体的課題への対応が示されたところであります。また、大会の在り方等につきましても、日本中体連が主催する全国大会に、地域のスポーツ団体等も参加できるようにすることなどが盛り込まれております。 今後の計画としましても、まずは休日の運動部活動から段階的に地域移行していくことを基本とし、令和5年度から3年間を改革集中期間とすることが併せて示されております。 ◆(太田清海議員) それでは、先に質問を進めさせていただきます。 私は部活動というのは、教育の一環として教員が担うべきではないかと考えております。教育長の見解をお伺いしたいと思います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 部活動は、学年や学校を越えた交流を通して、生徒同士の幅広く豊かな人間関係の構築や、目標達成に向け努力する過程で壁にぶつかることがあり、そこを乗り越える経験ができる活動であります。また、教室とは異なる生徒の姿があり、教員にとって、生徒理解を深めることができる活動でもあります。 私自身も学校現場では、まさしくこのような教育的な意義や価値を実感してまいりました。しかしながら、教員の業務量の増加や心理的負担といった課題があることも認識しております。 そのようなことからも、今後は、全ての市町村教育委員会に足を運び、現状や課題等の御意見を集約しながら、本県の実情に合った部活動について検討していく必要があると考えております。 ◆(太田清海議員) このテーマでは最後になりますが、部活動指導員の配置による効果と今後の見通しについて、お伺いしたいと思います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 公立中学校におきます部活動指導員につきましては、主に教員の負担軽減等を目的に、令和元年度より配置しており、今年度は77名を配置することとしております。 その効果といたしましては、教員の時間外の業務時間の減少をはじめ、「これまで経験のない競技を担当した顧問の心理的負担が軽減された」「仕事と家庭生活の両立が図られた」などの報告がなされております。 今後は、国の動向を注視するとともに、各市町村教育委員会とも連携し、継続的に部活動指導員の配置を進めてまいります。 ◆(太田清海議員) この部活動指導員というのは、会計年度任用職員と伺っておりましたが、部活動については、特に義務教育上の部活動ですから、やっぱり教育の一環であるという視点を失わないようにしてほしいと思います。 それともう一つは、やはり原則的に先生が忙しいということであれば、先生を増やすという視点を忘れないで、今後対応していただきたいと思うんです。 これで私も最後になるかもしれませんので、部活動の関係で私が体験した教訓を少し述べてみたいと思います。 私が部活動を中学校から始めたのは、北郷宇納間という寒村です。1学年は3クラスありましたけど、男は野球かソフトテニス、女性はバレーかテニスでした。それぐらいしか選択肢がなかったんです。私はテニスに入りましたけど、初めてテニスボールを打ったときに、どこに飛んでいくか分からんから、相手のところにきれいに返してやろう、返してやろうと思ってやっていると、まるでテニスボールを打つことが、その子と会話をしているような、この会話という、テニスとは面白いんだねという感動がありました。それからいっときして、学校の先生が、美術の先生や国語の先生、数学の先生が日曜日になると集まってきて、本来は私たちが練習しなきゃいけないのに先生たちが練習して、そういうのを見ていると、こんなことがありました。 先生同士が試合をして、アウト・セーフをめぐってけんかするんです。あれ、先生もけんかするんだなという社会も見ました。でも先生同士、特にあのときは国語の先生でしたけど、アウト・セーフをめぐっていちゃもんをつける先生に、「先生、おおらかに行きましょう、おおらかに」と言ったら、その相手の先生は頭をかくように、何か納得されたようでした。やっぱり何か自分を見詰め直したんでしょう。 私は、あのときのおおらかにという言葉が非常に心に残っていて、この言葉はいろんな争い事の中に使っていかないかんなということをつくづく思ったわけであります。 大人は、そういう争いを避けるための言葉も十分知っているんだなということを、部活を通して感じたところです。 高校に入って試合をすると、テニスのボールがネットにぴちっと当たって、当たったら、もうこちらの勝ちなんです、誰も取れないから。だから、中学生時代には、やったと思ったんですが、高校の部活でそれをやっていたら、ネットインしたときにやったと心で思ったら、先輩である高校3年生が、「こっちに来てみろ」と。「あのね、そういうふうにしてネットに当たって勝ったときには、帽子を脱いで相手の人におじぎしなさい、すみませんでしたと。そういうことを言いなさい」ということで、公式戦でもそのようにしてきました。これは、やっぱり高校生は大人だなと、中学生と違うんだなということを自分でも勉強しました。 それから、私は実は九州大会に、高校時代に1年生のとき補欠で出場させられたことがあります。相手高校は九州の名門校でした。名門校でありましたが、相手校の前衛が失敗すると、監督が呼んで、ラケットで頭をたたこうとするんです。生徒は逃げるんです。私はそれを見て、テニスというのは楽しい競技なのに、何でそんなことをするのかなと思って、恐ろしさも感じました。そんなこともあって、スポーツというのはそういうものだよと、学校の先生と一緒になって楽しくやらないかんと。 それで、時間がなくなりますが、中学校3年のときに私は宮崎県で優勝して、インターハイに出場しました。そのときの先生は、延岡高校の事務の先生でした。私は学校の先生と思っていたら、事務の先生でした。その先生が、優勝したその晩、旅館に泊まっているときに私たちを見て、「おまえたちは疲れちょるじゃろうが、明日は個人戦があるとぞ」と、当時テレビで宣伝されていたドリンク剤を買ってきて、私たちに飲ませたんです。「疲れちょるじゃろう」と言って。それを飲んで翌日は試合しましたけど、個人戦では私以外は全部負けました。疲れがたまっていたんだと思いますけど。 そのように、あの事務の先生だったけれども、私たちをいたわりながら、「疲れちょるね、頑張りましたね」といった、そのいたわりの心みたいなものが私はありがたかったなと、忘れられない思いであります。 その先生が言った言葉としてもう一つ覚えているのは、「いいか、君たちは部活をするなら、先生の授業をしっかり聞いとれよ。しっかり聞いとれば、家で勉強せんでいいんだぞ」、そんなことを言っておりました。私もそのとおりにしたんですが、まあどうにかなりました。そんなことで、やっぱり部活というのは教育の一環である。その人の全人格を受けて育っていくんだということを、何か失わないでいてほしいなと。 もう一つ言うならば、燃え尽き症候群というのがあります。あんまり厳しくがんがん鍛えると、もう俺はそんなスポーツをしたくないといって、大人になってスポーツから離れていく人もいるんです。 私はそういう経験がなかったから、70歳を超えましたけど、今でもテニスをしております。時々、田口県会議員も連れ込んで、一緒に練習したりしております。非常にうまいんです、彼も。そういうことで、部活というものはそういうものもあるんだよということを、ひとつ肝に銘じておいてほしいと思います。 次に、教員免許更新制の廃止についてでありますが、これも3点、先にお伺いしたいと思います。 教員免許更新制の廃止に伴う新たな研修制度の概要についてお伺いしたいと思います。教育長、お願いします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 国の示しました新たな研修制度は、変化の激しい教育環境の中において、一人一人の教員が目標を設定した上で、主体的に学び続けることを狙いとしております。 県教育委員会といたしましては、本制度の狙いを踏まえた上で、県の新たな研修計画を策定し、その研修の履歴を記録に残す仕組みを構築してまいります。 また、校長はその研修記録等を活用しながら、教員との対話を通して、今後の研修の方向性を示し、一人一人の教員にとって最適な学びとなるよう指導助言等を行います。 本制度の詳細につきましては、今後、文部科学省よりガイドラインが示されますので、その内容を踏まえて計画的に進めてまいります。 ◆(太田清海議員) もう一つ、県教育委員会として、新たな研修制度を今後どのように構築していくのかということをお伺いしたいと思います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県教育委員会といたしましては、今後、文部科学省より示されます指針やガイドライン等を参考にしながら、本県ならではの研修制度の構築に取り組んでまいります。  具体的には、有識者を交えた教員の育成や研修に関する会議を実施するとともに、庁内のワーキンググループにおきまして、協議を重ねてまいります。 それらを通して、研修制度の基盤となる教員の育成指標を定めた上で、今年度末をめどに新たな研修計画を策定してまいります。 なお、構築に当たりましては、働き方改革を念頭に置いて、教員の過度な負担にならないよう配慮するとともに、学校現場や社会のニーズも踏まえながら、作業を進めてまいります。 ◆(太田清海議員) 私は、この教員免許更新制については、政治に翻弄されてきたかなという感じがして。新しい研修制度となっていくようですけれども、私は、やっぱり校長先生、教頭先生、そういった人が、若い先生の人格も含め、教育の技術も含め教えていく、そういう任務が校長、教頭先生にはあると思うんです。いろんな研修に頼らなくても、現場で教えていく。人格の陶冶という言葉がありますけれども、陶器を練るように、そして金属を溶かし込んで器を作っていくような、そういうことを教頭、校長先生が本来やるべきではないかなという思いがあります。ひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、地域公共交通について総合政策部長にお伺いいたします。 これは質問としては1つなんですけれども、JR九州のサービスが低下していると感じますが、県としてどのように対応しているのかということをお伺いしたいと思うんです。 私も列車に乗って20年間通勤してきました。その20年の間に、今までワンマン列車ではなかったのにワンマン列車が導入されました。それから、私は南延岡駅乗車ですけど、駅員が3名はおったように思うんですが、とうとう1名になってしまいました。それから営業時間も、朝の7時半から午後3時までということになって、それ以降は誰もいないんです。私、これはいろいろ犯罪も起こるんじゃないか、無銭乗車をすることとかを誘発してしまうのではないかというのも感じますし、私たちが駆け込んで駅に上がっていったときに、最初に見るのは電光掲示板なんです、あれが一番大きくてしっかり見えるから。これがなくなりました、電光掲示板が。 それで、宮崎空港にも行ってみましたが、電光掲示板はあるんですが、電気が流されていませんでした。何ら役目は果たされていないんです。あるということは、将来使うかもしれんからいいけれども、南延岡駅は取っ払ってしまったんです、全部。こんな状況で果たしていいのかなと。 様々な問題が起こっております。ということで、総合政策部長にお伺いしたいと思います。 ◎総合政策部長(松浦直康君) JR九州は、本年3月に窓口業務や改札対応の時間短縮など、駅体制の見直しを実施いたしましたが、その際、県におきましては、事前に懸念される事項をJR九州へ要望し、駅員の臨時配置による定期券販売など、利用者への影響を最小限とする対応を取っていただいたところであります。 また、例年、宮崎県鉄道整備促進期成同盟会では、市町村や商工団体、高校等からの要望を取りまとめ、JR九州に提出しておりまして、これまでに、駅の修繕あるいは放置自転車の撤去など、可能なものから順次対応いただいているところであります。 御指摘のとおり、JR九州によるサービスが低下していくようなことがあると、さらなる利用者離れにつながることが懸念されます。このため、今後も引き続き、沿線自治体や地域住民の声を届けて、駅施設等の利便性・快適性の向上のために必要な改善を求めてまいります。 ◆(太田清海議員) 難しい問題でありますが、朝7時半からしか駅員さんは来ない。私は6時台か7時の初めの列車に乗るものですから、誰もいません、駅には。そのときにお客さんが、身障割引を取りたいんだけど、相手がいないから取れなかったんです、これは前回も言いましたけど。だから、列車に乗せて宮崎駅で降ろして、そこで取らせました。 もう一つの経験は、おじいちゃんでしたけど、鹿児島の病院に行かないかんということを言っていましたけど、駅員さんがおらん。そうしたら、お金を入れて買う、あの券売機の扱いが分からないということで、私がやってあげました。その方が、「駅員が来たら、文句言わないかん」とか言うわけです。ただ、駅員さんも、JR九州サポートサービスという委託先が請けているから、その人たちに文句を言わせるのはいかんから、その人も早く列車に乗せて宮崎まで連れていきました。そんな不満が出ているものですから、やっぱり、特に空港はお客さんが来る玄関ですから、迎え入れるときには気持ちよく迎えられるようなJRであってほしいなと思います。ということで、よろしくお願いいたします。 次に、県有施設における電気の調達について、これは総務部長に3点お伺いいたします。 県有施設で使用する電気の調達方法についてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(渡辺善敬君) 県における電気の調達につきましては、国の進める電力の小売自由化を背景としまして、平成16年度から、契約電力50キロワット以上の県有施設を基本に、一般競争入札による電気需給契約を行っており、現在、県立学校や警察署等を含め123施設で、この方式を導入しております。 このうち、知事部局で契約電力が最大となる県庁本館及び1号館の入札に、現在の契約では6者の小売電気事業者が応札し、九州電力株式会社が落札しております。 それ以外の県有施設につきましては、各施設管理者が契約電力の規模に応じて、一般競争入札または随意契約により契約を締結しております。 ◆(太田清海議員) 仮に契約先の事業者が事業撤退した場合、まず新電力の場合ということだろうと思いますけど、その後の電気供給はどうなるのか、お伺いしたいと思います。 ◎総務部長(渡辺善敬君) 仮に、契約中の事業者から事業撤退の申出があり、電気供給の停止が見込まれる場合は、新たな事業者へ契約を切り替える必要があります。 この場合、次の契約先を確保するまでは、電気事業法に基づきまして、一般送配電事業者である九州電力送配電株式会社と標準料金の2割増しの金額で締結する、最終保障供給契約によりまして、向こう1年以内の電気供給が保障される仕組みとなっております。 なお、最近のエネルギー価格の高騰等に伴いまして、国においては、最終保障供給制度の在り方や電力需給対策について議論されていることから、県としましては、国の電力政策の動向を注意深く見守りたいと考えております。 ◆(太田清海議員) それでは最後になりますが、県有施設で事業撤退の動きはあるのか、仮に撤退した場合、県は提訴することになるのか、お伺いしたいと思います。 ◎総務部長(渡辺善敬君) 県と電気需給契約を交わしている事業者のうち、今のエネルギー価格の高騰に伴うコスト増の状況は伺っておりますが、現時点で直ちに事業撤退が差し迫っているなどの相談を受けているケースはありません。 仮に事業者が事業を撤退し、電力を供給する見込みがないと認められる場合には、まずは提訴とは別に、電気需給契約に基づき違約金の請求を行うことになります。 また、御質問のありました損害賠償請求の提訴につきましては、事業撤退に伴う法的手続の状況や資産状況、訴訟費用と損害賠償額等を考慮し、弁護士とも相談しながら、総合的に判断することになると考えております。 ◆(太田清海議員) 円安とかウクライナの問題とかで物価、原油等も上がったりして、真面目に事業者もやっておるんだろうと思いますけど、そういったいろんなことが想定されると思いますので、今後、早めに情報をつかむことと、穏やかな方向で対応していかれたらいいかなと思います。 次に、福祉保健部長にお伺いいたします。 福祉系高校応援事業についてでありますが、これは2か月ほど前、とある高校から、「県がつくった福祉系高校応援事業は大変よいものだったが、これが今年度、令和4年度で終わると聞いた。今後はどうなるのか」という不安を聞きましたので、質問いたします。 1点目は、県の事業ですが、「未来へはばたけ!福祉系高校生応援事業」についてお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 御質問の事業は、介護職を志す福祉系高校の生徒が介護を学びやすい環境を整備するため、生徒が負担する介護実習に係る費用等について、1人当たり3万円を上限に助成するものであります。 県では令和2年度からこの事業に取り組んでおり、県内に6校ある福祉系高校の生徒に対し、令和2年度は393人に約490万円、令和3年度は373人に約650万円の助成を行っているところであります。 ◆(太田清海議員) それでは、国が創設した福祉系高校修学資金貸付事業についてお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 福祉系高校修学資金貸付事業は、介護福祉士を目指して福祉系高校で学ぶ生徒に対し、国と県の負担により、修学準備金や介護実習費、国家試験対策費用等を貸し付けるものであります。 高校を卒業し、資格取得後、県内で介護等の業務に3年間従事することで返還が免除されるため、介護人材の県内定着を促進する観点から、有効な制度と考えております。 この貸付金は、対象となる費用の範囲が広く、先ほど答弁しました、県の助成で受けられる金額以上の借入れが可能であるため、助成金の支給は今年度までとし、令和5年度以降、福祉系高校の生徒の修学に係る支援は、貸付制度に一本化することとしております。 県としましては、対象となる学校の生徒、保護者に貸付制度を周知し、その活用を図り、介護分野への新規就労促進に取り組んでまいります。 ◆(太田清海議員) これをお伺いしたときに、県が先進的に制度をつくったと、その後追いで国が、それより充実するものをつくってくれたんだなと思うと、宮崎県として先に取り組んだその成果が、国にいい意味で影響したんだと思って、そこは評価をしたいと思います。 そういう意味では、本当にこれが地方自治だということを訴えているような気がして、それぞれのセクションで国の政策をいい意味で変えていくような、そういう取組を今後ともお願いしたいと思います。 2か月前に、現場にこれが伝わっていなかったというのもあったものですから、今後は周知徹底をよろしくお願いしたいと思います。 次に、同じく福祉保健部長に、介護報酬の算定について2点お伺いしたいと思います。 これは、ある福祉施設の経営者からお伺いしました。「300万円ほど借金をして施設をつくったけれども、後で国が介護報酬を減算したので、はしごを外された思いがした」と。「介護労働者も手厚く採用したいと思っているのに、減算されては困る」という相談を受けました。 それで1点目は、事業者が受け取る介護報酬が減算されるケースはどのようなものがあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 介護報酬は、介護事業者が利用者に介護サービスを提供した場合に、利用者の要介護度やサービスの提供時間などを基に支払われるものであり、一定の要件により加算または減算されることとなっております。 減算がなされるケースといたしましては、事業所等におきまして、看護職員や介護職員などの職員数が配置基準を満たさなくなった場合や、訪問介護事業所において、同一の建物に居住する利用者へサービスを提供することで、地域に点在する利用者への訪問と比べて、移動時間が軽減される場合などがあります。 ◆(太田清海議員) それでは、2つ目でありますが、介護報酬において介護事業者の努力が適切に評価されるべきと思いますが、どのように反映されているのかお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 介護報酬は、介護保険法の規定により、国が定めることとされ、介護を取り巻く様々な課題に対応するため、原則として3年ごとに見直しが行われているところであります。 具体的には、基準を上回る夜間の職員配置や専門職によるケアなど、より手厚い介護サービスを提供した場合や、移動に時間を要する中山間地域で訪問介護サービスを提供した場合に一定の報酬が加算されるなど、サービス内容が介護報酬に反映されるよう改定が行われてきたところであります。 県といたしましては、介護事業者が介護報酬の仕組みを十分理解し、利用者によりよい介護サービスを提供してもらえるよう、引き続き、説明会や個別相談等を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆(太田清海議員) これについては経営者の側から言うと、本当に真面目に取り組んだんだけれどもと。減算というのを今お聞きしましたら、職員数が満たないとかいうときには、それはあるでしょう。ただ、建物を造った後に、介護保険事業所と利用者が居住する建物が別々にないといけないと言われたというようなイメージで聞いております。最初に造ったときに同じ棟で建てたんだと、それを後になってはしごを外されるのはつらいよねというのが、経営者の話のようです。 これも以前、コムスン事件といって介護報酬の不正請求をした事件、ああいったあたりから、国がもう少し厳しくせないかんなということになったんだろうと思いますけれども、今後、本当に一生懸命やってる介護事業所に対するいろんな加算とか、はしごを外すようなことは将来ないように、ひとつ国のほうに訴えてほしいと思います。 次に、生活保護の現状について2点お伺いいたします。 コロナ前後における本県の生活保護の、保護率の推移についてお伺いいたします。福祉保健部長、お願いします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 人口1,000人当たりの被保護人員を表す保護率につきましては、コロナ禍の影響を受ける前の平成29年度が16.64、平成30年度が16.55、令和元年度が16.65と、16.6程度で推移しておりましたところ、新型コロナ発生後の令和2年度は16.52、令和3年度は16.26と、やや低下してきております。 ◆(太田清海議員) 保護率については、全国的には上がっているんですけれども、宮崎県においてはほぼ同率になっています。むしろちょっと下がっているところもありますけど。これをどう見るかということですが、これは2点目です。保護のこのような状況についてどのように分析しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) コロナ禍の中、国におきましては、生活困窮者に対し、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金、住民税非課税世帯を償還免除とした生活福祉資金特例貸付、生活困窮者自立支援金や家賃相当額を給付する住居確保給付金などの手厚い支援策が講じられてきたところであります。 これらにつきまして、県においては、支援制度の情報が必要な方々に行き届くよう、コールセンターや特設サイト「ミナテラスみやざき」の開設などによる幅広い広報活動を行うとともに、相談窓口の支援員を増員し、きめ細かな伴走型支援に取り組んできたところであります。 このような取組によりまして、生活に困窮する方々が生活保護に至らず、日常生活の維持につなげられたものと考えております。 ◆(太田清海議員) 今言われたように、伴走支援とか手厚い対応をしてもらったということも、確かにあったんだろうと思います。それから、特例貸付制度も有効に活用されているのかなと思います。特にボーダーライン層にある人たちが宮崎県では生活保護を受けなくていいような形に今はなっているのかな、というような感じを受けます。分かりました。 次に、障がい者の介護について、同じく福祉保健部長に聞きたいと思います。まず、これもあるお母さんから、自分はもう70歳を過ぎている、子供は40ぐらいですが、自分が死んだ後、この子はどうするんだろうかという思いから、相談がありました。 NHKの報道でも、子供より一日だけ長生きしたいというドキュメントの放映があったようです。そういう思いからでありますが、質問を2つほどいたします。 知的障がい者の親には、親亡き後の生活を心配する方がいるが、県は知的障がい者の実態を調査したことがあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 県では、障がい者施策の基本計画として5年ごとに策定しております「宮崎県障がい者計画」の基礎資料とするため、知的障がいを含む障がい者の方々へのアンケート調査を実施しているところであります。 具体的には、現在の暮らし方について、家族と同居しているのか、または一人暮らしなのか、あるいはグループホームや施設に入居しているのか等を調査するとともに、将来的にはどのような暮らし方を希望しているのかについても調査をしております。 来年度は、次期計画の策定年度に当たりますことから、同様のアンケート調査を予定しておりますので、知的障がい者などの実態をしっかり把握できるよう、調査内容につきまして検討してまいります。 ◆(太田清海議員) 私もアンケートを見せていただきましたが、今、知的障がい者の置かれた状況というのは、ある程度分かりました。確かにそういうアンケートを取られておるなということで、まあいいでしょう。 では、次の質問をいたします。 「施設から地域生活への移行」という国の方針がありますけれども、施設入所という選択肢も必要ではないかということでお尋ねしたい。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 国は、障がいのある方が地域で暮らしていけるよう、障害福祉サービスの提供に関する基本的な方針として、「施設から地域生活への移行」の推進を掲げております。 このため県では、地域における居住の場であるグループホームの整備や、関係機関が連携して相談に応じるなどの地域生活を支援する機能の強化に、市町村と連携しながら取り組んでいるところであります。 一方で、障がいが重度であるなどの理由により、施設への入所が必要な方もいることから、施設におけるサービスの質の向上などに取り組んでいるところであります。 いずれにしましても、親亡き後の生活は、本人や御家族にとって大変切実な問題でありますので、障がいの有無にかかわらず、共に生きる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 ◆(太田清海議員) 分かりました。アンケートを取っておられますが、2005年に成立した障害者自立支援法、そういった考え方から、施設から地域へというのがあります。私たちもそういうイメージで聞いておりました、地域で障がい者の人たちが生活できるようになるのはいいんだなと思って。 ところが、テレビ放送でもありましたが、障がい者のいわゆる親亡き後の問題を考えるときに、27都道府県が調査したところによると待機者が1万8,000人ぐらいいらっしゃると。それで、施設に入らせてくれませんか、もう私もきつくなったのでと言っても、50人ぐらい待機しておりますのでということで、なかなか入れないんです。ということで、宮崎県もこの待機者の状況、そういったのはアンケートに代わる、またもう一つの調査としてやっていただくといいがなと。 施設でないとどうしても生活できない人たちが今から出てくるんじゃないかと思って、私自身もその辺も今後の課題にしておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、ウッドショックの状況についてでありますが、これは、先ほど林活議連会長である濵砂守議員が十分に質問されました、この辺のテーマは。非常に味わいのある質問でありました。私はこれは省略したいと思います。 最後のテーマになりますが、海岸・河川問題についてであります。 1つ目は、長浜・方財海岸における現在の取組についてお伺いしたいと思います。これは県土整備部長、お願いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 長浜・方財海岸につきましては、これまで継続して延岡新港のしゅんせつ土砂を用いた養浜や、海岸の状況を把握するための測量などを行っており、令和2年度からは、海岸一帯の砂の移動に関する解析を行っているところであります。 また、地元の皆様や専門家の御意見を伺いながら、五ヶ瀬川河口の導流堤におきまして、昨年1月に袋詰め玉石によるかさ上げ工事を長さ約30メートル、今年の3月にも上下流に延伸し、合わせて約55メートル実施しております。 現時点では、袋詰め玉石周辺に砂が堆積している状況が確認できており、一定の効果があるのではないかと考えているところであります。 しかしながら、設置してからの期間が短いことや、台風などによる高波を受けていない状況でありますので、現在、対岸に設置した定点観測カメラ等により、砂の動きや波浪の状況などをモニタリングしている状況であります。 ◆(太田清海議員) それでは、同じく長浜・方財海岸の保全に向けた今後の取組についてお伺いしたいと思います。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 長浜・方財海外につきましては、今年度は、先ほど答弁しました袋詰め玉石をさらに延伸し、継続して効果検証を行うとともに、五ヶ瀬川の河川管理者である国や県、地元延岡市などで構成する行政連絡会議を立ち上げ、関係機関が連携して、長浜・方財海岸の保全に向けた取組を検討することとしております。 また、海岸から延岡新港へ流れ込む砂を抑制するため、港のすぐ北側で、防砂堤整備工事に今年度から着手する予定であり、整備に伴う海岸への影響についても、モニタリングしていくこととしております。 今後とも、関係者と連携しながら、砂浜の保全について取組を進めてまいります。 ◆(太田清海議員) 長浜・方財海岸についての取組は分かりました。 私としては、やっぱり砂の採取はやめてほしいなというのがあります。これは今までのいろんな歴史的な経過があるから、いろんな事業者があるから、なかなかだとは思いますが、採取をやめる方向の検討をひとつお願いしたいと思いますし、袋詰め玉石の効果についても、私も長浜・方財に行ってきました。確かにきれいに置いてあって、以前よりは砂が流れている穴が少なくなったなと思いますが、砂が堆積しているところが、ちょっと掘られているところもあるので、また見ていただいて、そこにも置けば、さらに砂がたまるかなという感じがいたします。 それから、玉石を延伸するという話も今伺いましたけれども、私もこれを見ながら、せっかく砂がたまっているのであれば延伸したほうがいい、海の側に2メートルでも5メートルでも伸ばしていく方向で検討されたらどうかなと思っておりましたが、今答弁の中で出ておりますので、期待したいと思います。 素人ながら、テトラポットの両面に玉石を置くことはできないのかなと、今は片一方だけですから、それは私もまだ分かりません、どういう結果になるかは。そういうのも感じました。 それから、長浜海岸のほうについては、今言われたように防砂堤を築くということでありますが、今までは水中防波堤だったから、それを砂が超えたら、もう戻ってこない。それを防砂堤という完全な、空中に出た防砂堤を造るというようなことでしょうから、これは私は大きく期待したいと思います。いい効果が出るといいがなと思っております。分かりました。 それで、県土整備部長には最後の質問になりますが、今度は、北川家田地区の霞堤開口部から流入するごみの対策について、これまでの取組と今後の予定を伺いたいと思います。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 北川家田地区におきましては、これまでに、川の流れを変える掘削工事や、開口部付近の樹林帯復元のための竹の移植や柳の植栽を行ってきたところであります。 今年度は、4月に開催した地元説明会での意見も踏まえ、ごみの流入を防ぐための水に浮くフェンスや、出水時の状況を確認するための監視カメラを設置いたします。 また、川の流れを一定方向に保つため、新たに設置する水制工の効果的な配置等について検討することとしております。 今後は、これまでに実施した対策の効果について、出水時の状況を十分に検証するとともに、引き続き、地域住民の方々や専門家の意見を伺いながら、ごみ流入防止対策を講じてまいります。 ◆(太田清海議員) 新たな取組として、水に浮くフェンス、これも面白い取組だなと思って期待しております。分かりました。 私としては、堤防があります、あれを少し向きを変えるということはできないものだろうか、山に直角に当たると、そこであおって、ごみが田んぼの中に入っていくということもありますので、少し曲げるということができないかなという願望は持っております。よろしくお願いしたいと思います。 それから、あと1分でありますが、1番目の問題に移りまして、知事から答弁がありました、金融資産の課税についてであります。 私は、企業のもうけというのは、株主が取るのか、賃金として労働者に払うのか、内部留保としてためるのか、この3つだろうと思うんです。この3つのせめぎ合いみたいなもので、内部留保などというのも484兆円、現在9年連続でたまっておるということですから、もったいないなと。これを吐き出すことによって活性化ができないものかなと思いますし、株主重視ということも、これもどうだろうかなと。株主より働く労働者のほうが絶対数は多いと思うんです。だからこの辺も、ある程度のモラルというか、あれが必要かなと、どういうふうになるのかなと。 そして、日銀も出口戦略に今苦労されておるようですが、こういった問題をぜひとも何かうまく解決されていくようになるといいなと思い、質問の全てを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(右松隆央) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時44分休憩 ────────────────────   午後1時0分再開 ○議長(中野一則) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、安田厚生議員。 ◆(安田厚生議員) 〔登壇〕(拍手) こんにちは、自由民主党、安田厚生です。最後の質問になりますので、もうしばらく我慢をしてください。 それでは、通告に従いまして質問いたします。 私は小売業を経営しております。また、お米の生産者でもあります。今は自宅で食べるほどのお米を作っております。私の父は83歳で、30年ほど前はもみすり業者でありました。 皆さん、もみすり業者を知っていますか。今のもみすり機は小さくて、この壇上ぐらいの大きさであります。乾燥機から直接もみすりの機械に入って玄米が出てくる仕組みであります。 30年ほど前は、もみすり機はこの後ろの議長の机ほどある大きなものでありました。そのもみすり機を台車に乗せ耕運機で引っ張り、各農家の家を回り、もみすりを行っておりました。1日に3軒から4軒ほど農家を回ります。もみすりが終わりますと、毎年その農家は、今年は何俵取れたとすごく喜んで、その一年の収穫の喜びを表現しておりました。 また、各農家は、一年の収穫が終わりますと、ごちそうがずらっと並んでいたことを思い出します。私も、よく米作りの手伝いをしていましたので、幾つもの工程を経て作られたお米作りの大変さは分かっています。 米の食味ランキングで、美郷町を含む地域で最高評価「特A」を3年連続で獲得いたしました。3年連続というプレッシャーの中で獲得した生産者の努力に、敬意と感謝を申し上げます。 美郷町の議員さんによりますと、農家の人は米の収穫量や品質を高めるため、水田の水が常に稲の生育に適した深さや水温になるように管理することを心がけているといいます。 農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本県では、特A取得によるうまい米作りを推進しています。霧島地区、西北山間地区の「ヒノヒカリ」が、共に最上級「特A」を獲得いたしましたが、販売促進、販売戦略が必要であると思います。 そこで、食味ランキング「特A」米のPRについてどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。 以上、壇上からの質問とし、あとは質問席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 令和3年産米の食味ランキングにおきまして、本県の霧島及び西北山間地区が、共に3年連続で最高ランクの特Aを取得したことは、すばらしい功績でありまして、生産者の皆様の日々のたゆまぬ御尽力に深く敬意を表します。 九州全体で見ましても、3年連続で特Aというのは佐賀に1か所ございましたが、それを除くと本県のこの2地域ということで、それを考えても、すばらしい成績であると考えております。 県では、特Aを取得した地区で生産される米で一定の基準を満たしたものを、「宮崎特選米」としてブランド認証し、様々なPR活動に取り組んでいるところであります。 今、ウクライナ情勢を背景として、国産国消が叫ばれ、米の生産そして消費というものにも大きく比重を移していくべき、そういう状況にあって、本県でこのような米が取れますことを大変心強く思っているところであります。 今回の3年連続の特A取得は、本県の米の認知度向上、そしてさらなる消費拡大への効果が期待されます。 今年度は、全国から参加者が集まる青島太平洋マラソンのランナーへの賞品や、県内でスポーツキャンプを行う団体への贈呈品として活用するとともに、今後、増加が期待されます観光客などにも積極的にPRしてまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(安田厚生議員) 議長から今年4月に、えびの産を含む地域の特A米をごちそうになりました。大変おいしくいただきました。 県では、特Aの継続取得及び産地拡大に向けた生産技術の普及や、特A取得対策会議を核とする指導体制の強化をしていますが、特Aを取得した後の県からの支援は少ないように感じます。取得後のPRが大事なことではないでしょうか。 今年、全国和牛能力共進会が開催されます。宮崎牛は、内閣総理大臣賞を3回連続で受賞しています。それと同様に、特Aの取得は価値があるものだと私は思っております。 今回、霧島地区と西北山間地区で特Aを取得しましたが、PRや販売促進など、それぞれの地区の特性に合わせた販売戦略が必要と思われます。地元からも、宮崎牛と同様に、お米でも特A米販売促進協議会などを設置し、全国にPRしてほしいとの要望がありました。 また、宮崎県では大相撲の優勝力士に表彰式で宮崎牛を贈呈していますが、それと一緒に特A米の贈呈をしてはどうかという、美郷町を含む地域から提案・要望があります。今後検討していただきたいと思います。 県産米の競争を勝ち抜いてきた特A米に付加価値をつけ販売されることが、生産意欲につながると思います。特A米の消費拡大に向けての取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) 県では、特A米の消費拡大に向け、「宮崎特選米」というブランドを確立し、商品力の強化に取り組んでおります。 これまで、平成28年に霧島地区、令和2年に西北山間地区の2地区が認証を受け、それぞれに県内外への販路拡大やPR活動等に取り組まれているところです。 また、県では、関係機関等と宮崎県米消費拡大推進協議会を組織し、宮崎米の認知度向上とともに消費拡大に取り組んでいるところですが、今年度は、3年連続の特A取得を弾みに、「宮崎特選米」の食味をPRポイントとして活用し、消費拡大に向けた活動を行うこととしております。 ◆(安田厚生議員) これまで指導体制の構築を図って、皆さんが特Aを取得する努力はしていたんですけれども、取得した後のPR活動が必要ではないかなと思っております。 今年3月に山形県に行かせていただきました。山形県では、ブランド米「つやひめ」をキロ800円ぐらいで売っているんです。宮崎産米は高くてキロで400円ぐらいでありますので、お米の価格が上がらないと生産意欲も上がらないと思います。今後、県を挙げてPRに努めていただきたいと思います。 コロナ禍での営業自粛や時短営業などにより、外食向けのお米の需要減が続いたことなどから、消費が落ち込む状態が続いています。 本県では主食用米の作付面積は、この10年間で5,400ヘクタール減少しており、水稲農家の継続が危惧されています。 農機具や燃料費、肥料などの経費は上昇を続け、お米の価格は下がる一方であります。このまま下がり続ければ、水稲農家はさらに厳しい状況となると思われます。 そこで、水稲生産を続けていくための県独自の支援について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) コロナ禍等の影響により米価が低迷する一方で、肥料や資材等の価格が上昇し、稲作農家はこれまで以上に大変厳しい経営環境に置かれています。 今後とも水稲生産を続けていくためには、収益性の向上を図ることが何より重要だと考えております。 このため県では、土地利用型農業産地再編・強化対策事業により、経営規模拡大や収益力向上に向けた取組の支援を行うとともに、稲作経営基盤強化対策事業により、必要な機械、機器の導入支援を行うことで、持続可能なもうかる稲作経営の実現を支援してまいります。 ◆(安田厚生議員) 正直言って、お米の価格が上がらないと大変厳しい状況であります。生産者の中には、買って食べたほうが安いと言う方もいらっしゃいます。農地を守ることも大変であることを認識してほしいと思います。 少子高齢化で農業従事者が減る中、利用されていない農地などを集約して意欲のある農家に貸し出す農地中間管理機構を設置し、担い手への農地の集積・集約に努めていると伺っております。 東臼杵及び西臼杵において、担い手への農地集積が進んでいない要因と今後の対策について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) 東臼杵や西臼杵では、不整形で小さな農地が傾斜地に分散しているため、作業効率が悪く、地域のリーダーとなり得る若手農業者不足も相まって、農地集積が進んでいない状況にあります。 このような中、門川町の庵川東・牧山地区や高千穂町の下野西地区では、地域のリーダーが中心となって、徹底した話合いの下、集落営農組織の法人化を進めるとともに、農地バンクを活用して、農地集積を図るなどのモデル的な取組を展開されております。 県としましては、関係機関・団体と連携して、このような優良事例を広く県内に周知するとともに、地域の将来ビジョン等を描く「人・農地プラン」が法定化されたことも踏まえ、話合い活動を一層推進し、担い手の確保と農地集積に取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 人手不足に加えて小さな農地が点在する中山間地域では難しいようであります。産地効率化やスマート農業の展開を通じた農業の成長産業化に向けて、農地の集約化等を進めていただきたいと思います。人の確保と育成を図る措置も講じる必要があると思いますので、その対策もお願いしたいと思います。 私も水稲生産をしていますが、田んぼの田起こしから代かき、肥料を与え、週末には草刈り等をしています。 先日、驚いたことがありました。代かきを終え、田んぼの隅を見てみますと、肥料が集まっていたことであります。近所の先輩が、「それはプラスチックだよ」と教えてくれました。プラスチックが田んぼにあるということに驚きました。 近年、プラスチックごみによる海洋汚染が国際的な問題とされています。農業生産においても、農業用ハウスやトンネルの資材だけでなく、被覆肥料など生産資材としてプラスチックが使用されているようです。この肥料にプラスチックが使われるようになったのは、1970年代からです。それから52年使用され、今では日本の水田のおよそ6割で利用されています。肥料にプラスチックが使われていることは、米農家の間でも知られていません。 そこで、被覆肥料がプラスチック等でコーティングされていることについて、県や生産者がどのくらい認識しているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) 被覆肥料は、肥料の散布回数を減らし、過剰養分の流出を防ぐことができ、省力化や環境負荷低減が図れるメリットがございます。 一方、コーティングの材料のプラスチックは、土中の微生物により長期間かけて分解されますが、水路から河川、海洋へと流出すると分解されにくく、汚染の原因になりかねないデメリットがございます。 また、生産者のほうからは、農業改良普及センターなどに、水田に浮いているプラスチック殻に関する問合せもあることから、材質について十分に御承知されていない方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思われます。 ◆(安田厚生議員) このプラスチック殻は、長時間紫外線に当たると分解されるとされています。分解されないまま河川に流出することがあるようです。プラスチック殻は小さ過ぎて拾えないため、流れ出した時点でマイクロプラスチックになってしまうことが問題となっています。 被覆肥料のプラスチック殻の流出防止対策について、農政水産部長にお伺いいたします ◎農政水産部長(久保昌広君) 被覆肥料は、近年、全国的に水田での使用量が増大したことから、水田から流出し、環境問題として注目されるようになってきました。 県では、農業改良普及センターが実施する生産者向けの研修会など、様々な機会を通じて、被覆肥料にプラスチック等が使われていることを周知するとともに、水田への入水量の調節や排水口にネットを設置することで、流出を防止するなどの対策を徹底していくこととしております。 なお、肥料メーカーでは、環境に優しい素材への見直しを進めていると聞いております。 引き続き、関係団体と連携して、プラスチック殻の流出防止対策の指導を行ってまいります。 ◆(安田厚生議員) 私の田んぼでも、ネットを張って流出を防止したんですけれども、なかなか流出が止まらないといいますか、水が止まってしまうんです。1年前の殻がたまったりして、なかなか水がはけないということもありますので、何かいい対策を考えていただきたいと思います。 また、2030年までに各メーカーとも環境に優しい素材への見直しを進めるということでありますけれども、裏を返せば、それまでに対策を取らないということになりますので、日本の農業を持続可能なものにするためにも、早急に対策を考えていかなければならない課題だと感じました。対策をお願いしたいと思います。 次に、海の環境についてお伺いします。 藻場は「海の森」と呼ばれ、藻場による水質の浄化や、多くの生き物に産卵・生育の場としての役割を果たす重要な生育環境となっています。 しかし、全国では、ウニの食害などが原因で藻場が減少する磯焼けが進行して、大きな問題となっています。 藻場は本県の水産業にとっても重要な役割を担っており、藻場が減少することで、その機能が損なわれます。漁業者に大きな影響を及ぼすことが考えられますが、本県における藻場の再生に係る取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) 藻場は、稚魚の成育場など沿岸資源の保全に重要な役割を担っておりますが、本県では、ウニなどによる食害被害により藻場が大きく減少したまま十分に再生できない海域が多く見られます。 このため、漁業者を中心にウニの駆除活動を行っており、県では、このような活動への技術的指導と財政支援を行うとともに、ウニが入り込みにくく海藻を定着させやすいコンクリートブロックを設置するなどの取組を進めてきました。 この結果、日向市などでは藻場の再生が図られ、アワビなどの漁場として利用されるなど、一定の効果が見られております。 県といたしましては、引き続きこのような取組を進めることで、藻場の再生に取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) ありがとうございます。鹿児島県のある高校では、藻場を荒らすウニを使い農業用の肥料をつくる研究を行っております。魚の餌である藻を育成するために、駆除したウニを有効活用できないかと取り組んでいたものであります。 これまで駆除されていたウニから農産物用の液体肥料になる有機発酵液を作ったところ、農産物の収穫量の改善につながったということであります。 ウニも生き物でありますので、除去されたウニの賢い利用方法の開発が望まれると思います。その対策等をお願いしたいと思います。 次に、ブルーカーボンについてお伺いいたします。 日向市の東ソー日向株式会社護岸部のアラメ場による温室効果ガス吸収等について、ブルーカーボン・オフセット制度で認証されました。 国はブルーカーボンという海に着目した施策を打ち出しております。沿岸域の藻場等に生育する海洋植物にCO2として取り込まれた炭素のことをブルーカーボンといいます。 このブルーカーボンは比較的新しい考え方でありますが、藻場の造成は、沿岸漁業の振興とともに、ブルーカーボン推進を図ることができると思います。 ブルーカーボンに対する県の取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(久保昌広君) 海藻等による二酸化炭素の吸収、いわゆるブルーカーボンは、2009年の国連環境計画において二酸化炭素の重要な吸収源として報告されて以降、その機能に対する期待が高まり、現在では、気候変動対策として世界的に取組が進んでおります。 県としましては、漁業者による藻場の保全活動への支援に加え、今年度から「養殖グリーン成長戦略推進事業」を創設し、ワカメ養殖の支援などを行っておりますが、この取組は新たなブルーカーボンにもつながるものと考えております。 引き続き、漁業生産力の向上を図りつつ、脱炭素社会にも貢献する取組を推進してまいります。 ◆(安田厚生議員) このブルーカーボンに関する取組は、藻場の再生を促し、地球温暖化の抑制にもつながっていきます。再生可能エネルギーへの転換や健全な森林管理保全にも取り組んでいますが、さらなる取組が必要です。 海の資源を使った温暖化対策や環境保全にブルーカーボンに関する取組が求められると思っておりますので、さらなる対策をお願いいたします。 大型連休の初日に、椎葉村の向山地区で「もぐもぐ交流会」が開催されました。主催したのは、伝統農法焼き畑の継承に取り組んでいる地元の団体「焼き畑蕎麦倶楽部」の方々でありました。 山と海のつながりや、山を守る大切さを知ってもらうのが主催者の目的であります。 会場では、山菜の天ぷらや団子などをおいしくいただくことができました。また、特設ステージでは、太鼓や民謡、神楽などが披露され、盛大に盛り上がりました。もちろん、私の仕事はマグロの解体ショーでありました。 日頃でありますと、お皿に2切れとか3切れずつ盛って、並んでもらうんですが、この日は35キロのキハダマグロを用意しまして、食べ放題のマグロの解体ショーになりました。小学生の子供たちが大変喜んで、これは生で食べられるのかというような感じで喜んでいただいたことを思い出します。 その子供たちが神楽の継承に携わっているということで、椎葉村の神楽は地域ごとに異なります。勇壮な舞の数々が奉納されています。また諸塚村では、神社ごとに春と秋に行われる大祭や臼太鼓踊り等があります。美郷町では、師走祭りの夜に奉納される百済王を鎮める神門神楽があり、地域の活性化も図っているようです。 伝統芸能は郷土に伝承されてきた貴重な財産であります。その文化の保存と継承が課題であり、伝統芸能、特に神楽等に対しては、後継者の育成につなげていくことが大事だと思っております。 神楽の保存・継承のために、県が行っている取組と今後の方策について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県内には、200を超える神楽が大切に受け継がれております。しかしながら、高齢化や過疎化により保存・継承が難しい状況になってきておりまして、このことは本県だけではなく、全国各地域においても同様の状況であります。 そのため、本県が中心となり、神楽の保存・継承を目的とした国指定神楽保存団体による全国組織を今年度中に設立し、一日も早いユネスコ無形文化遺産登録を目指してまいります。 また、県内におきましては、これまで神楽の調査研究や、映像記録の保存・公開などに取り組んでまいりました。加えて、今年度は新たに神楽保存団体の連絡協議会を開催し、情報の共有や連携の強化を図ることで、神楽の保存・継承をより一層推進してまいります。 ◆(安田厚生議員) 神楽伝統芸能のユネスコ無形文化遺産登録に向けて、宮崎県が旗振り役を表明したことは大変意義のあることだと思っております。ユネスコ無形文化遺産に神楽伝統芸能を登録することができたら、各市町村や観光機関と連携し、多様な媒体を活用して、国内外に向け本県の伝統芸能の魅力をしっかりと発信し、さらなる観光誘客につなげていただきたいと思います。 次に、国道265号の整備状況についてお伺いいたします。 国道265号は、宮崎県小林市から西米良村、椎葉村を通り、熊本県阿蘇市に至る195キロの一般国道であります。 先日、小林市から国道265号を通り、椎葉村から門川町に帰ろうとしたのですが、通行止めにより折り返して帰ってきたところであります。 私の尊敬している先輩は―ここでは名前は言いませんが―50年前、この国道265号を友人3人で歩いて熊本まで行く旅を計画したとのことです。当日、友達2人は親から叱られたからなのか分かりませんが、待ち合わせの場所に来なくて、仕方なく一人で、えびの市から国道265号を歩いて椎葉まで行き、どこで道を間違ったのか諸塚に出たそうです。普通の人なら絶対に歩かないと思いますが、変わっている人だなと思ったところであります。諸塚村からどうやって帰ったのかは知りませんが、後でゆっくり聞きたいと思います。あまり話すと議長本人から叱られますので、やめにしておきます。 九州中央自動車道五ヶ瀬西・蘇陽インターのアクセス道路である国道265号は、緊急時の搬送時間の大幅な短縮が期待されます。また、宮崎県北部地域のインフラ整備は、防災・減災の効果も期待されています。入郷地域から高速へのアクセスを強化するためには、国道265号の整備が必要不可欠であります。 そこで、音ヶ瀬大橋から熊本県県境までの整備状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 国道265号につきましては、地域の産業振興はもとより、災害や急病時における救急搬送など、住民の安全で安心な暮らしを支える重要な路線であります。 議員お尋ねの区間については、九州中央自動車道と一体となって広域的な道路ネットワークを形成することから、これまでに、国見トンネルや仲塔工区などの整備に重点的に取り組んできたところでありまして、延長約27キロメートルのうち、約24キロメートルで2車線の整備が完了しております。 残る約3キロメートルの区間につきましては、現在、十根川工区として整備を進めており、これまでに椎葉村側の約1キロメートルを供用し、今年度も引き続き、約200メートルの道路改良工事を進めることとしております。 この工区は今後、2か所のトンネルなど大規模構造物の整備もありますことから、必要な予算の確保に努め、しっかりと取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 必要な予算の確保に努めていただきたいと思います。九州中央自動車道のアクセス性も高まりますので、早期整備に向けていただきたいと思います。 先日、諸塚村議会議員の皆様が、国道503号の飯干トンネル事業化のお礼に、知事をはじめ各部にお邪魔をいたしました。大変お忙しいときに対応していただきまして、誠にありがとうございました。 諸塚村の皆様は期待し、完成するまで長生きしないといけないと、90歳の方が言っていたそうであります。寿命も延びる国道であります。 また、副知事からは、「これを機会に新しいまちづくりをしたほうがいいんだよ」というような提言もいただいておりました。国道265号の早期整備をお願いしたいと思います。 次に、産業育成についてお伺いいたします。 県民の産業別人口割合では、基幹産業である農林業と同程度を建設業が占めています。 建設業の役割は、インフラ整備・災害復旧・維持管理です。また、鳥インフルエンザや口蹄疫の対応にも、地元の建設業が重要な役割を担っています。しかし、建設業者の減少により、インフラの維持管理の対応が困難な状況になっています。 また、中山間地域で災害が発生した場合、距離が離れた地区から駆けつけなければならないことも増え、復旧も遅れることもあるようです。 過疎化の進む中山間地域においては、地元の建設業者の存在が重要であり、建設業者は、地域の守り手として新たな担い手を確保することが喫緊の課題であります。 建設業の担い手の現状と人材確保・育成に向けた取組について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 県内建設業の就業者の割合は、50歳以上が5割強に対して30歳未満は1割弱であり、有効求人倍率も高止まりするなど、年々担い手不足が深刻化しております。 このため県におきましては、産業開発青年隊における技術者の育成や、資格取得の支援などに取り組むとともに、今年度から県建設業協会に担い手コーディネーターを設置し、現場見学会やインターンシップ等の充実、建設産業の魅力や企業情報等を伝えるポータルサイトの構築を進めるなど、情報発信の強化にも努めているところであります。 また、業界のイメージアップに向けて、県発注工事において進めております週休2日やICT活用工事など、働き方改革や生産性向上につながる取組も進めながら、しっかりと人材の確保・育成を図ってまいります。 ◆(安田厚生議員) 中山間地域では、求人を出しても何年も応募がない状況で、高齢者の職員を引き止めながら就業者の確保をしています。 外国人労働者は言葉の壁等の問題もあり、何人も雇うことはできず、抜本的な解決策にはならないようです。 担い手確保以外にも、設備投資等やるべきことがたくさんあります。国や県の施策で推進しているICT施工等の最新技術も、中小企業である建設業者では、資本的に取り組むことが困難なのが実情であります。 デジタル技術の活用により、建設現場の生産性の向上やインフラ、メンテナンスの高度化・効率化を図っていくことが重要でありますが、建設現場におけるICT等のこれまでの取組状況と今後の取組について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 県土整備部におきましては、公共工事の測量・施工・管理の各段階において、デジタル技術を活用する「建設ICT活用工事」を平成29年度から開始しており、これまでに大規模な工事を中心に190件、92社の企業が取り組んでおります。 また、工事書類をインターネット上で共有・交換する「情報共有システム」の導入や、現場確認をビデオ通話で行う「遠隔臨場」など、受注者・発注者双方の作業効率化を図る取組を進めているところであります。 今後は、従来よりも小規模な工事を対象とした、ICT活用工事の普及を図ることにより、中小の建設業における取組の拡大につなげてまいります。 ◆(安田厚生議員) 建設業協会の青年部の方々と意見交換を行った際に、担い手不足の解消のために、効率のよい施工方法の導入が重要で、急斜面の危険な現場では遠隔操作の重機を使用するなど、既製のコンクリート製品を活用することで、少ない人手で作業が進み、経営改善や働き方改革にもつながるとのことでありました。 工事の設計前に、県・設計業者・建設業者が協議し連携することで、施工性を向上する技術力を高め合うことが必要だということでありました。 建設業は地域に必要な仕事として認めてもらうために、魅力的な仕事になっていく必要があります。建設業に対する県民の正しい理解とイメージアップ、雇用の確保等を図り、建設業の施工性の技術力を高めることが必要であります。 建設業における生産性の向上の取組状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 建設現場における生産性の向上を図るためには、施工の効率化に向けた取組が大変重要でありまして、先ほどお答えしたICTを活用するほか、県では、現場技術者等の意見を参考にしながら、独自の取組を進めているところであります。 具体的には、設計の段階から、現場での施工に精通した技術者の意見を反映する三者検討会を活用し、施工性の向上を図っているところであります。 また、「生産性向上に配慮した設計施工要領」を今年3月に定め、設計時において、建設現場における省力化や、施工日数の縮減が図られる工法・資材の検討を行っているところであります。 今後も、関係団体と連携を図りながら、生産性向上の取組を進め、建設産業の魅力向上につなげてまいります。
    ◆(安田厚生議員) 意見交換会では、若者が就職したくなるような将来性のある建設業を目指したいとのことでありました。県においても、魅力ある産業にしていただき、人材確保・育成を図っていただきたいとお願いいたします。 次に、犬猫の殺処分について質問いたします。 犬及び猫の引取り数や殺処分数を減らすことは、大きな課題であります。 コロナ禍で、ペットを飼う人が急増しました。長引く自粛生活において、ペットは癒やしの存在であります。ところが、「捨てられてしまう犬や猫が増えた」という悲しいニュースも聞こえてきます。その一方で、動物の殺処分に対する批判や関心は高まり、人々の動物愛護に対する意識も変わり始めています。犬や猫の譲渡を推進することが、殺処分削減につながると思います。 そこで、令和3年度の犬猫の収容数と殺処分数の状況、殺処分ゼロへの対策について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 令和3年度の収容数は、犬が727頭、猫が979頭、合計1,706頭となっており、年々減少しているところであります。 次に、令和3年度の殺処分数につきましては、犬45頭、猫298頭、合計343頭であります。 この343頭は、全て収容後の死亡や重篤な病気があるなど、譲渡に適さないと判断されたものであることから、これらを除いた譲渡可能な動物の殺処分数は実質ゼロとなっており、令和元年度より3年連続で継続しているところであります。 県ではこれまで、いのちの教育や地域猫対策等の施策を講じてきたところでありまして、今後もこれらの取組に加え、マイクロチップ装着の普及啓発や犬猫の譲渡を推進し、実質殺処分ゼロを継続してまいります。 ◆(安田厚生議員) 結果として、実質殺処分ゼロであります。保健所に引き取られてしまったペットが殺処分されずに済むために、積極的な返還・譲渡等、活動を行っていく必要があります。引き続き殺処分ゼロを目指してください。よろしくお願い申し上げます。 6月に改正されました動物愛護法が施行され、販売される犬猫について、マイクロチップの装着が義務づけされました。 マイクロチップの装着義務化を受け、県内販売業者の現状と今後の対策について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 法の改正に伴うマイクロチップの装着義務化の対象となる県内の犬猫販売業者の登録施設数は、令和4年5月末現在で217施設となっております。 県ではこれまで、対象事業者に対しまして、説明会の開催や文書による通知のほか、施設の立入検査等の際にもマイクロチップ装着義務化に関する周知を繰り返し行ってまいりました。 これにより、各事業者の所有する犬猫については、6月1日から適切に販売されているものと考えております。 今後は、保健所や動物愛護センターによる立入検査の中で、販売業者の対応状況についての確認を行うとともに、講習会などを通じて、犬猫の販売時における確実なマイクロチップの装着について、引き続き指導してまいります。 ◆(安田厚生議員) ありがとうございます。引き続き対応策をお願いいたします。 野良猫の苦情件数も増えてきているようであります。先日、山下議員も質問いたしましたが、県内で行われている不妊手術も継続することが大事だと思いますので、その対策をお願いいたします。 次に、県民の健康づくりについてであります。 人工透析患者さんから相談を受けました。年々、人工透析導入患者も増えてきているようであります。 人工透析の原因疾患といたしましては糖尿病が最も多く、40%を超えております。そこで、糖尿病の発症予防、さらには重症化予防に取り組み、早期に病気が発見でき、特定健診を受けることが大事だということでありました。 そこで、市町村国保の特定健診実施率と、実施率向上に向けた取組状況を、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 令和2年度の市町村国保の特定健診実施率は、新型コロナの影響もあり、前年度を2.8ポイント下回る35.9%となっております。全国平均を2.2ポイント上回っておりますが、目標とする60%には届いておらず、その向上が課題となっております。 このため、市町村におきましては、電話等による個別の受診勧奨や、夜間・休日健診の実施など、様々な取組を行っているところであります。 また、県におきましては、毎年5月と10月を「健康診査広報月間」と定め、県政番組等を活用した広報のほか、今年度は新たに、受診を促すテレビCMやユーチューブ広告により、啓発を行っているところであります。 今後とも、市町村をはじめ関係機関と連携し、実施率向上に向けた取組を進めてまいります。 ◆(安田厚生議員) この健診実施率の向上を進めていただきたいと思います。 若い頃はそんなに気にもしなかったのですけれども、門川町の特定健診の担当の方が何回も家に来られて、受けてくださいとお願いされまして、やっと行くような機会になって、行きました。幸い血圧が高いだけでありますので、どうぞよろしくお願いいたします。 宮崎県では、「めざせ!健康長寿日本一の宮崎県」を目指しています。65歳以上の高齢者人口は年々増加し、3人に1人が高齢者という状況であります。 周りを見てみますと、独り暮らしの高齢者や、夫婦のみの高齢者世帯が多く見られます。健康で生き生きと暮らし続けることも大事であります。 そこで、健康寿命の延伸に向けた取組について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 本県におきましては、全国と比べ肥満者の数や食塩摂取量が多いこと、また歩行数や野菜摂取量が少ないことから、健康みやざき行動計画21を策定し、「めざせ適正体重」「1日プラス1,000歩」「野菜をプラス100g」「食塩をマイナス2g」など具体的な目標を掲げて、市町村や関係機関等と連携しながら取組を進めてきたところであります。 このような中、昨年12月に公表された令和元年の本県の健康寿命は、全国で男性9位、女性3位と上位となったところであり、県としましては、今後とも、このような取組を継続してまいります。 また、心疾患や脳血管疾患のリスクとなる高血圧を改善・予防する減塩については、これまでの個人の取組から、社会全体の食環境づくりへと拡大していくこととしておりまして、今後、地元企業や関係団体の御意見などもお伺いしながら、官民一体となって取組を進めてまいります。 ◆(安田厚生議員) ありがとうございます。減塩は確かに必要です。私も血圧が高いので、減塩に取り組んでいきたいと思っております。 次に、学校教育についてお伺いいたします。 学校の教員は多くの業務を抱え込み、本来重視されるべき授業の充実や児童生徒と向き合う時間の確保が不十分のようであります。 学校教員の働き方改革が叫ばれる中、国の法改正により、教職員の時間外業務時間は原則1か月45時間以内、1年間360時間以内という指針が定められています。教員の働き方改革をさらに推進するために、公立学校教員の時間外業務についてどのくらい改善が図られたのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 教員の時間外業務時間につきましては、毎年10月に、全校種対象の調査を実施しております。 それによりますと、月当たり45時間を超えている教諭等の割合について、令和3年度と前年度を比較してみますと、小学校は5.6ポイント減少して20.8%、中学校は2.8ポイント減少して55.3%、高等学校は5.4ポイント減少して53.2%、特別支援学校は0.8ポイント減少して16.3%という結果でありました。 県教育委員会といたしましては、今後ともスクール・サポート・スタッフの拡充や、統合型校務支援システムの活用、全県立学校でのフレックスタイム制度の試行など、時間外業務縮減の取組を、より一層推進してまいります。 ◆(安田厚生議員) 昨年もこの質問をさせていただきました。何か疑うわけではありませんけれども、学校の教職員のさらなる働き方改革を進めるようにお願いしたいと思います。 GIGAスクールなどにより、1人1台端末の環境が整備されましたが、端末を使うことがゴールではありません。これらを活用することで、学習基盤となる資質・能力を育成する協働的な学びの充実につながると思います。 そこで、GIGAスクールの現状と課題について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) GIGAスクール構想の現状としましては、義務教育段階では、県内全ての学校で1人1台端末での学習が昨年度から本格的にスタートし、県立高校におきましても、今年度入学生から順次導入しております。 そのような中、課題としましては、まずは、ICTを活用した教員の指導力向上、次に、一斉にネットワークを活用した際のICT機器の安定した運用であると考えております。 そこで、教員の指導力向上のために、県立学校のICT教育推進リーダーや市町村立学校の担当者を対象とした研修会を実施するとともに、モデル校等を指定して、ICTを効果的に活用した授業の研究とその普及に取り組んでいるところであります。 また、ICT機器の安定した運用につきましては、トラブル時のサポートの強化、ネットワークの点検・増強等につきまして、今議会の補正予算でお願いしているところであります。 ◆(安田厚生議員) 子供たちは1人1台端末を手に持ち活用する機会が増えるとともに、スマートフォンやSNSが急速に普及するなど、子供たちを取り巻く環境は変化し、インターネット上にあふれる危険な情報やいじめにつながり、SNSへの不適切な書き込みなどに触れることも考えられます。 そのため子供たちに、「情報には誤ったものや危険なものがあること」と、「ネット上のルールやマナーを守ることの意味」について考えさせる、いわゆる情報モラル教育は一層重要になってくると考えています。 そのような中、県教育委員会では今議会の補正予算に、日頃から児童生徒が自ら判断して行動できる資質、能力の育成を高めるための情報モラル教育推進事業を計上されているとのことでありました。引き続き、子供たちの情報活用能力の向上に取り組んでいただきたいと思います。 子供たちの学びのために1人1台の端末が整備され、効果的な活用が検討される一方で、端末を使用して悪口を書き込むなど、いじめも問題化するようになりました。 児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、端末を前向きに活用することを考えてみてはどうでしょうか。いじめなどの悩みを気軽に相談できる窓口として、1人1台端末のホーム画面にショートカットアイコンをつくり、端末から子供が悩み相談できる仕組みづくりはできないのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県教育委員会では、子供たちがいじめや悩みを相談する窓口としまして、電話による「24時間子供SOSダイヤル」や「ふれあいコール」があるほか、インターネット上に「ネットいじめ目安箱サイト」を開設しておりまして、誰でも悩みを相談できる体制を整えております。 その「ネットいじめ目安箱サイト」につきましては、SNS等での不適切な投稿の内容を画像で投稿できる機能を追加するなど、より手軽に相談できるようになっております。 議員御指摘のとおり、子供たちが安心して悩みを相談する上で、1人1台端末の活用は非常に有効だと考えておりますので、その仕組みづくりを検討してまいります。 ◆(安田厚生議員) ぜひ検討していただきたいと思います。 静岡県では、1人1台端末のホーム画面にショートカットアイコンをつくり、気軽に相談できる窓口として「こころの相談ノート」を構築しております。小中学校に通う児童生徒から、いじめなどの悩みをタブレット端末で相談してもらう取組を始めました。いじめの問題、ヤングケアラー等の子供たちの悩みを早く知ることが目的であります。 全国で同様の取組が広がりつつありますので、本県においても前向きに検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 宮崎県のみならず、全国的に教員採用選考試験の倍率が低下していると聞いております。教育の質を確保するためには、より多くの方に試験を受けていただき、優れた人材を確保することが大変重要です。 本県では様々な対策に取り組んでいるところでありますが、UIJターンを含め県外からの教職員確保の取組状況について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県外からの教員確保に向けた取組といたしましては、従来から行っておりました県外の大学訪問等に加えまして、平成30年度からは、県外での教員志願者説明会を実施しており、昨年度は56名の参加がありました。 また、令和2年度から、県外2か所での採用試験を実施しておりまして、本年度は、東京、大阪、福岡の3か所に増やす予定であります。 さらに、他県の現職教員や元教員を対象としました特別選考試験を平成28年度から実施しておりまして、昨年度は51名が応募し、27名を採用しております。 今後とも、これまでの取組のさらなる充実を図りながら、優秀な人材確保を進めてまいります。 ◆(安田厚生議員) 宮崎出身の先生で、他県で現職でおられる先生方も、いずれは宮崎に帰ってきて、宮崎の子供たちを教育したいという方も中にはいらっしゃいますので、これからも進めていただきたいと思います。 次に、防災対策についてお伺いいたします。 今年1月15日、トンガ沖噴火で津波が発生しました。本県沿岸部全域に津波注意報が発令され、各地で防災無線のサイレンが鳴り響き、急いで高台に避難する方々も多く見られました。 門川町の役場では、約60台の車が避難されたと聞いております。そしてまた、私の駐車場にはたくさんの車が避難しておりました。国や県では、自動車での避難は原則禁止とされていますが、浸透していないのが実情のようであります。自動車での避難も必要だと感じる人も多いようです。 そこで、津波からの自動車での避難に対する県の考えを、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(横山直樹君) 津波からの自動車での避難は、道路の陥没や家屋の倒壊等による通行への支障、渋滞、交通事故、さらには、徒歩による円滑な避難の妨げとなることなどが懸念されるため、宮崎県地域防災計画においては、徒歩による避難を原則としております。 一方、津波による浸水が想定される区域には、体が不自由であったり、避難場所まで遠いなどの理由で、徒歩での避難が困難な方もおられることから、市町村は、こうした方々やその家族、近隣住民とともに、自動車での避難のリスクを十分踏まえた上で、あらかじめ、避難経路の確認や個別の避難計画の策定、訓練を行うことで、安全かつ迅速に避難できるよう準備しておくことが重要であると考えております。 ◆(安田厚生議員) 県では、徒歩での避難を推奨しているということでありますが、避難タワーがない地域では、自動車で避難する方も多いと思います。津波の襲来時に予想以上の方が自動車で避難し、混乱が起きると懸念しているにもかかわらず、対策が進んでいません。地域ごとに、自動車での避難について、議論をさらに深めてほしいと思います。 どこの町とは言いませんけれども、避難タワーがない町があります。そこの地域は海抜10メーター以下のところに8割ぐらい住宅があるんです。やはり避難タワーは必要じゃないかなと思っているところでありますが、避難タワーの整備を含め、必要な地域に迅速に整備できるよう、実情に合った対策をお願いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中野一則) 以上で一般質問は終わりました。 ──────────────────── ○議長(中野一則) 次に、今回提案されました議案第1号から第12号まで及び報告第1号の各号議案を一括議題といたします。 質疑の通告はありません。 ──────────────────── △議案第12号採決 ○議長(中野一則) まず、公安委員会委員の任命の同意についての議案第12号について、お諮りいたします。 本案については、会議規則第39条第3項の規定により、委員会の付託を省略して直ちに審議することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(中野一則) 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。 討論の通告はありません。 これより採決に入ります。 議案第12号についてお諮りいたします。 本案については同意することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(中野一則) 御異議なしと認めます。よって、本案は同意することに決定いたしました。 ──────────────────── △議案第1号から第11号まで及び報告第1号委員会付託 ○議長(中野一則) 次に、議案第1号から第11号まで及び報告第1号の各号議案は、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ関係の委員会に付託いたします。 明日からの日程をお知らせいたします。 明日22日から27日までは、常任委員会、特別委員会等のため、本会議を休会いたします。 次の本会議は、28日午前10時から、常任委員長の審査結果報告から採決までであります。 本日はこれで散会いたします。   午後1時54分散会...